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債権回収はお早めに [企業経営・経済]

22日に、企業の担当者向けの講演を行うのですが、そのテーマとして債権管理の重要性をお話しようと思っています。

売掛金の回収が思うように進まなかったり、取引先が突然倒産してしまったり、時には夜逃げされたりするなど、企業活動を行っていると、多かれ少なかれ債権回収で苦労する経験はあるものです。

弁護士をしていると、その債権回収の相談を受けることも多いのですが、相談を受けた時点ですでに手遅れということが非常に多いと感じています。

取引先が今月末に不渡りを出しそうなので何とか売掛を回収したいという相談を受けても、その回収のために法的な手続をとっていては、不渡りまでに回収することはまず無理です。何とかうまく交渉して回収したとしても、後々他の債権者から、詐害行為だとして、その返還を求められることもあります。

したがって、そのような相談をされても、回収できないリスクを説明して、「それでも費用をかけて弁護士に依頼しますか?」と質問せざるを得なくなるのです。

また、債権を保全するために、仮差押というような法的手段もあるのですが、後から自己破産や民事再生の申立をされてしまえば、手続はストップしてしまいますので、苦労して手続をしても無駄になってしまうことも多いというのが現実です。



それでは、どうしたら良かったのでしょうか。


債権の回収のことだけを考えれば、相手が約束通り支払いをしなくなったときには、できるだけ早い時期に回収の準備に入る必要があるのです。
相手がすぐに倒産しそうもないような状況のうちにサッサと債権を回収してしまえば、ほかの債権者に何か言われることもありません。

ただ、あまりに回収に走りすぎると、「あいつは血も涙もないやつ」というような非難を浴びるかもしれませんし、その後の取引に差し支えることもあるかもしれませんから、そこはバランスを考えて手続を考える必要があります。

直ちに、回収に入らなくても、不良債権が膨れ上がらないようにすることも重要です。信用不安のある相手には、新たな取引は現金取引にしてもらうとか、信用のある連帯保証人をつけてもらうということも必要です。

特に、こちらの会社が相手の会社の業務に必要な資材や業務を提供する関係であれば、これまでの債権に対して確実に回収できるような対応をしてもらえないのであれば、新たな資材や業務の提供はしないという対応もできます。

いずれにしても、取引先に信用不安が生じたときには、今後の取引による売上のことを考えるよりも、債権の回収を意識して対処するほうが、たいていは間違いないといえます。

売掛を失うということは、それまでに費やした売上原価や外注費などを丸々負担しなければならないことになります。そんなことなら、最初から何もしないほうがましだったということになるのです。


そのようなことを考えると、取引に入る前の段階で、十分に相手方の信用を調査して、信用に不安がある場合には、その取引による売上を断念するか、保証人などによって債権の保全が図れる見通しを付けてから取引に入る必要があるといえるでしょう。



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