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新銀行東京追加出資に住民監査請求 [企業経営・経済]

東京都議会で新銀行東京に対する400億円の追加出資を決めたことに対して、住民監査請求が起こされたというニュースがありました。

ちょうど、私が定期購読している日経ベンチャーに「破綻の真相」と題して新銀行東京の破綻の原因が分析されていました。



原因の根底にあるのは、石原都知事がこの銀行の構想を発表した1999年から実際に開業した2004年までに、金融機関の融資姿勢が一変して、新銀行設立の大義であった、優良な中小企業に対する貸し渋り対策の必要は既になくなっていたということがあります。
それにもかかわらず、一度計画のレールを敷いてしまった以上後戻りはできないということで突き進んでしまいました。

そこで提供できる商品は、一般の金融機関が貸し出す金利よりも高く、しかも短期間で返済しなければならないという、借りる側にとってもとても使いずらいものでした。

その結果、この融資を利用するのは、一般の金融機関から融資を受けられない、経営状態の良くない会社が多くなってしまいました。

加えて、行員に対しては、貸出額に応じて報奨金を支給することにして、その対象企業が半年間破たんしなければボーナスをもらえるという制度を作るなど、民間の金融機関ではおよそあり得ない仕組みを作りました。

その結果、報奨金に目がくらんで、とにかく貸出額を増やそうという行員と、他の金融機関からは借りられないので多少高利でもお金を借りたいという経営が悪化した企業の利害が結び付いて雪だるま式に不良債権が膨らんでしまったというのが破綻の真相のようです。


そして、経営を監視すべき肝心の東京都は、経営陣に丸投げでまともな報告も求めていなかった。(石原知事は報告をしなかった経営陣が悪いと責任転嫁しています。)このような、ガバナンスの欠如が、経営陣の無責任体質とあいまってあっという間に1000億円の資本金を食いつぶすことになってしまいました。

この状態に対して、メンツにかけても新銀行をつぶすわけにいかない石原都知事は、無理やり400億円の追加出資を都議会に認めさせたわけですが、マスコミをはじめ、多くの識者は、この追加出資について傷を広げるだけという見方をしています。

新銀行が危機的な状態にあることを知った預金者は、預金を引き揚げるでしょうから貸出資金が回らなくなる事態も予想されますので、新銀行の先行きは極めて不透明です。

住民監査請求が認められるかどうかは分かりませんが、住民監査請求が認められなかったとしても、その後に起こされる住民訴訟において、この400億円の追加出資の無謀さが認められる可能性は少なくないと思います。

そのような事態になれば、石原都知事はこれまで築き上げた名声も資産も失ってしまうことになりますが、仮にそうなったとしても、石原都知事は強気の姿勢を貫くのでしょうか。


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