年金記録確認第三者委員会 [ニュース・社会]
今朝のテレビ番組の中で,資料なしに年金記録の訂正を求める案件を審査する年金記録確認第三者委員会の審査結果について,大きな地域間格差があるという新聞報道に対して,コメンテーターから,審査の仕方が恣意的あるいはずさんであるかのような印象を与えるコメントがありました。
第三者委員会の審査の内容の詳細をご紹介するわけにはいきませんが,実際に委員会の内部で審査に当たっているものとしては,このコメンテーターの発言には強い違和感を覚えました。
コメンテーターの発言の要旨は,第三者委員会の審査に関して,申立人の人物評価をもとにして判断するという基準があるので,そのような恣意的な基準で判断するから地域間格差が生じるのだというような趣旨に受け取れました。
しかし,この発言は,審査基準のなかで,申立を認める最後の拠りどころとして挙げている申立人の人柄等というものが,審査の中で大きなウエイトを占めていると誤解してのものとしか思えません。
私が担当している部会でも,審査の準備に当たる職員は,申立人の申告の中にあるほんの小さな手掛かりでも,その裏付けとなる証拠収集に多くの時間を割いていますので,審査のなかで本人の人柄が問題となって申立を認めないという結論になった事例は,私がかかわっている限りではありません。
救済できない案件の典型例は,ご本人が納付したのではなく,親が納めてくれていたはずだという場合や,納付したかどうかのはっきりした記憶はないものの年金手帳に加入年月日と書かれているのだからその日からは納めているはずだという場合です。
国民年金の場合は20歳になれば強制加入なので,強制加入制度ができた1986年4月1日より後に20歳になった方の場合には,年金保険料を納めていなくても年金手帳の加入年月日の欄に20歳の誕生日が記載されることになります。それ以前に20歳になっていた人は,それまで任意加入していなければ1986年4月1日が加入年月日と記載されます。
その記載を見て,自分は20歳あるいは強制加入制度が始まった1986年4月1日から保険料を納めていたはずだと思いこんで申し立てられる例がかなりの数あるのです。
なお,地域間格差の問題がどのような原因で生ずるのかは分かりかねるところですが,各地方委員会は,結論を出す前に,中央の委員会と協議を行うことになっており,そこで全国的に統一のとれた判断がなされるよう調整が図られています(調査が不足していれば再調査を指示されることもあります。)ので,地方の委員会の申立を認めるか否かの判断に差があるとしても,それが地方委員会の側に問題があるとは考えにくいというのが私の率直な感想です。
年金に関することに関しては,何でもかんでも批判的に見がちな社会の風潮があることは否定できないと思いますが,第三者委員会(厚生労働省ではなく総務省の管轄下にあり,委員は全員民間人です。)についても社会保険庁批判と同列に論じられるのはとても残念に思います。
第三者委員会の審査の内容の詳細をご紹介するわけにはいきませんが,実際に委員会の内部で審査に当たっているものとしては,このコメンテーターの発言には強い違和感を覚えました。
コメンテーターの発言の要旨は,第三者委員会の審査に関して,申立人の人物評価をもとにして判断するという基準があるので,そのような恣意的な基準で判断するから地域間格差が生じるのだというような趣旨に受け取れました。
しかし,この発言は,審査基準のなかで,申立を認める最後の拠りどころとして挙げている申立人の人柄等というものが,審査の中で大きなウエイトを占めていると誤解してのものとしか思えません。
私が担当している部会でも,審査の準備に当たる職員は,申立人の申告の中にあるほんの小さな手掛かりでも,その裏付けとなる証拠収集に多くの時間を割いていますので,審査のなかで本人の人柄が問題となって申立を認めないという結論になった事例は,私がかかわっている限りではありません。
救済できない案件の典型例は,ご本人が納付したのではなく,親が納めてくれていたはずだという場合や,納付したかどうかのはっきりした記憶はないものの年金手帳に加入年月日と書かれているのだからその日からは納めているはずだという場合です。
国民年金の場合は20歳になれば強制加入なので,強制加入制度ができた1986年4月1日より後に20歳になった方の場合には,年金保険料を納めていなくても年金手帳の加入年月日の欄に20歳の誕生日が記載されることになります。それ以前に20歳になっていた人は,それまで任意加入していなければ1986年4月1日が加入年月日と記載されます。
その記載を見て,自分は20歳あるいは強制加入制度が始まった1986年4月1日から保険料を納めていたはずだと思いこんで申し立てられる例がかなりの数あるのです。
なお,地域間格差の問題がどのような原因で生ずるのかは分かりかねるところですが,各地方委員会は,結論を出す前に,中央の委員会と協議を行うことになっており,そこで全国的に統一のとれた判断がなされるよう調整が図られています(調査が不足していれば再調査を指示されることもあります。)ので,地方の委員会の申立を認めるか否かの判断に差があるとしても,それが地方委員会の側に問題があるとは考えにくいというのが私の率直な感想です。
年金に関することに関しては,何でもかんでも批判的に見がちな社会の風潮があることは否定できないと思いますが,第三者委員会(厚生労働省ではなく総務省の管轄下にあり,委員は全員民間人です。)についても社会保険庁批判と同列に論じられるのはとても残念に思います。
*****************************************************************
会社の経営についての相談、研修講師、法律に関する勉強会の依頼
相続、労働、債務整理・・・お悩みのかたはまず「プロ」に相談を!
詳しくは、マスダの所属する札幌総合法律事務所http://www.sapporo-sogo-lo.com/
または
コンサル弁護士マスダオフィシャルウェブサイトhttp://www.masudaweb.jp/へどうぞ!
コメント 0