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持てる者の戦略と持たないものの戦略 [企業経営・経済]

株価の暴落から一転して,日本の株価は回復基調に来ているような値動きをしています。

この原因は,日本の会社の実力以上に株が売られてしまったからというのが一般的な見方のようですが,経済評論家の一部には,株価はさらに下落する恐れがあるという意見を持っている方もいます。

それでは,振り返って,どうしてこのような急激な株価の変動が生じたのでしょうかということを考えてみましょう。

最大の原因は,アメリカのサブプライムローンの破綻によって,そのサブプライムローンを証券化した債権を多額に抱えた証券会社やヘッジファンドが多額の損失を被っていることはわかるけれども,その底が見えないという不安心理が雪崩を打って株の売却に向かったからでしょう。

しかし,そのような原因があったとしても,それだけでこのような現象が起こるわけではなく,その現象を引き起こす大きな株の売り注文がなければ,株の暴落は起こらないはずです。

そうすると,株の暴落の引き金を引いたのは誰かということを知る必要があります。

市場が不安心理を持っている状態でも,小口の株の売却であれば,それが複数集まったとしても大きな株価の下落ということにはならないので,市場は安定していますが,市場全体の数パーセントを占める大きな資金が証券市場から逃げ出したら,その時点で株価は暴落に向けたサインを発することになります。

そして,そのサインを受けた一般投資家が,それまで抱えていた不安心理と相まって狼狽して売りに入るというのが暴落のメカニズムであるといえます。

このように考えると,最初に株を売却した巨大な資金は,株価が高いうちに売り抜けているので大きな損失は被らないことになりますが,後になって株価が下がってから売った投資家は,時期が遅くなればなるほど損をしたことになります。

また,逆に十分に株価が下がったところで,最初に株を売り抜けた巨大な資金が株を買い戻す動きをすると,株価が底を打ったということで,上昇に転じ,底値で株を買った巨大な資金の保有者がここでも得をするということになります。

このように,市場全体に影響力を及ぼすことのできる巨大な資金があれば,市場をコントロールすることで莫大な利益を上げることができるということがいえるのです。

小口の投資家は,その巨大な資本の行方を予測しながら自分のポジションを決める必要がありますが,主体的に自らの動きを決められる巨大資本は,いつも勝ち組という訳です。

市場に影響力を持たない小口の投資家は,この現実を踏まえて,巨大資本の動向を先読みして動くか,それが無理なら,世界経済の基礎的な実力を信じて,じっと動かないのが賢明な対策なのだと思います。

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