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「伊達直人」現象に思う [ニュース・社会]

アニメ「タイガーマスク」の主人公「伊達直人」を名乗り、ランドセルなどのプレゼントを送る現象が全国に広がっています。

小さな善意の輪が広がっていることは、殺伐として先の見えない社会のなかで、ささやかながら清涼感を与えてもらえる話題です。

社会の中で恵まれない境遇にある子供たちに新しいランドセルをプレゼントして、善意の気持ちを届けようというその思いは貴重だと思うのですが、私自身は、その善意の表し方については少し工夫の余地があるのではないかと感じています。

私たちの事務所を中心に、有志を募って毎年12月に児童養護施設を訪問しているのですが、そこで受ける印象は、この施設で生活している子供たちは、物質的には私たちの子供のころと比べるとはるかに恵まれた境遇にあるということです。おそらく、現代の同世代の子供たちと比較しても、教材が不足して困るような状況にあるとは思えません。

精神面では、何らかの事情で親と離れて生活することを余儀なくされているために不安定なところもありますが、それでも概ね健やかに育っているというのが実際に養護施設で子供たちと触れ合っていて感じることです。

「タイガーマスク」の伊達直人が育った「孤児院」と現代の児童養護施設は全く別物と考えた方がよいのですが、おそらくこれらの施設を実際に訪れたことのない方には、その違いは理解できないかもしれません。

子供たちは、施設の職員たちの親身な指導を受けて、他の子供たちとの集団生活の中で健康に育っています。ある意味では、一人っ子の家庭で過保護に育てられた子供よりも逞しく成長しています。

このように、施設内にいる限り、子供たちはそれほど不自由のない生活を送れるのですが、問題は施設を卒業してからなのです。児童養護施設の場合には、高校を卒業すると施設を出なければならず、そこから先は自力で住む場所を確保し、生活費を稼がなければなりません。

施設の卒業生の場合には、部屋を借りたくても保証人もなり手がなく、スタートから躓いてしまうことも少なくありません。

それに加えて、施設出身者に対する偏見は彼らを委縮させ、自分の境遇を語りたくないために周囲とのコミュニケーションに支障が生じ、次第に仲間外れになって就職先でも長続きしないなどの問題に行きついてしまいます。

このようなことを考えると、今求められているのは、これらの施設の子供たちに物を贈ることよりも、もっと別の形で支援することなのではないかと思えてなりません。

子供たちが施設を卒業した時のために奨学金制度を設けるなど、いろいろと工夫の余地はあるはずです。

皆さんはどう思いますか?


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