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貧困の連鎖を断ち切るために本当に必要なものは [ニュース・社会]

自民党の赤枝恒雄衆院議員(72)が4月12日に開催された「子どもの貧困対策を推進する超党派による議員連盟」の会合で、支援団体の代表や児童養護施設出身の大学生が奨学金制度の拡充を求めたのに対して、質疑応答の冒頭で、貧困の背景について「親に言われて仕方なく進学しても女の子はキャバクラに行く」などと述べたと報道されています。
http://www.huffingtonpost.jp/2016/04/12/akaeda-tsuneo_n_9675238.html

報道によれば、奨学金制度拡充の要望に対し、赤枝氏は「がっかりした。高校や大学は自分の責任で行くものだ」という趣旨の主張をしたというのですが、要望した側も、だれにでも償還不要の奨学金を出して欲しいという要望を出したのではなく、支援団体の代表が大学進学を目指す学生への無利子奨学金の拡充を要望したのに加えて、児童養護施設出身の大学生が「誰でも平等に進学できる社会を」などと訴えたことに対して冒頭の発言があったというのは驚きです。

想像するに、赤枝議員は産婦人科医として、望まない妊娠をした若い女性を多数診てきて、大学に進学した若い女性の生活の乱れを憂いていたのかもしれませんが、それにしても、冒頭の発言はピント外れと言わざるを得ません。

私達の法律事務所では、毎年12月に大勢の仲間とともに児童養護施設の訪問を実施していますが、その経験で感じていることは、子供たちは本当に普通の子と何ら変わらないということです。むしろ、大勢の子供たちの中で大家族のような団体生活をしていることから、年長の子は下の子の面倒を見ますし、施設の先生たちの指導を受けて、一人っ子でわがまま放題に育てられた子よりも、ずっと社会性のある子たちが多いと感じています。

ところが、施設出身者は、18歳で施設からの退所を余儀なくされ、部屋を借りることも大変で、就職したとしても長続きしないという現実もあります。そのため、厚生労働省は、児童養護施設の入所年限を22歳まで引き上げる方向で検討しているということですが、それだけで本当に貧困の連鎖が断ち切れるのか、私は少し懐疑的に思っています。
http://news.mynavi.jp/news/2016/03/03/021/

児童養護施設出身者が、職場で長続きしない本当の理由について、私なりに感じているのは、やはり、施設出身ということに対する負い目ではないかと思っています。周りの人たちが自分の家族のことや子供時代の思い出を話すときに、施設出身者は一般家庭の出身者と似たような思い出を持ち合わせていません。施設出身であるということを堂々と話せる人であれば別ですが、負い目を持っている施設出身者はそこで口をつぐんでしまって会話の輪に加われなくなります。そんなことから、だんだん自分の周りに壁を作ってしまって職場にいづらくなるということがあるのではないかと考えています。

私達が多くの参加者を誘って毎年児童養護施設に訪問している一つの理由は、実際に子供たちと触れ合うことで、偏見が取り除かれ、施設出身者というだけで負い目を感じることのない社会になって欲しいという思いからです。

貧困の連鎖を断ち切るために、教育の力はとても大きいと感じています。知識がないと働ける仕事は限られます。低収入の仕事か風俗関係の仕事に就かざるを得ない人が多いでしょう。施設出身者が大学に進学できる機会を増やすことは、こうした悪循環を断ち切ることに繋がります。

施設出身者は「親に言われて仕方なく進学」するのではなく、自らの人生を切り開くために進学したいと願っているのです。その思いを「子どもの貧困対策を推進する超党派による議員連盟」のメンバーが理解できていないというのはとても残念なことです。

そして、それに加えて、一般の人たちも、児童養護施設の実態を理解して、出身者がその出自を明かすことを躊躇しないような社会の雰囲気作りも必要なのではないかと思っています。

皆さんはどう感じますか?


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日中関係と「下町ロケット」 [ニュース・社会]

昨年の年末休みに、録りだめしていた「下町ロケット」を第1話から一気に見ました。この番組の印象は、「こんなに都合よく話が進むか」という気もしますが、真正面からモノ作りの正論をぶつけて事態を乗り越え、「正直者が馬鹿を見ない世の中はいいな」と感じさせる点などが多くの視聴者の共感を得ることに成功したのだと思います。

このドラマの後半では、ベビーフェースの小泉孝太郎がヒール役で登場して、阿部寛演じる主人公佃製作所の佃社長に対峙するサヤマ製作所の社長に扮して佃製作所を追い詰めることになりましたが、この構図が最近の新幹線輸出を巡る日本と中国の関係に重なって見えました。

サヤマ製作所の戦略は、短納期・低価格で他社の既存の取引を次々と奪い取るという非常に分かりやすいものですが、その戦略を、極めて高度の技術を要する分野でも繰り広げて、しかも、取引先の担当者に裏取引を持ちかけるなど周到なやり方で、のし上がってきたという設定です。

それに対して、佃製作所は、技術力を前面に、難しい工程を苦心しながらクリアして、コンペでは高い技術力は認められるものの受注には至らないという辛酸をなめることになります。

結果として、(ここからは、ドラマを見ていない人にはネタバレになっちゃいますが、)サヤマ製作所は検査データの改ざんを行って製品を供給したことが発覚して社長が逮捕される事態にまで至ってしまったわけですが、特に、人工心臓用の弁に関しては、佃製作所の技術部長が設計した弁の構造を奪い取ろうとして結局うまくいかず、そのことが落とし穴になって転落してしまうということになりました。

この対立の構図について、高速鉄道の輸出競争を巡る日本と中国の争いに重なって見えるのは私だけでしょうか。

もともと、中国の高速鉄道は日本の新幹線技術を導入して進められたものでしたが、その後、日本の技術を真似ているはずなのに、独自に開発したと称して中国製の新幹線を日本と競合する各国に安い経済的負担で敷設するというセールスポイントをアピールして受注しようとしています。

日本の受注がほぼ決まりかけていたインドネシアの高速鉄道の契約を、中国が奪い取ったのはその典型例です。

中国国内では、一党独裁政権の強みで、線路の敷設ルートについても難所を避けて、建設予定地の住民を一方的に立ち退かせて工事を進めることができますが、他国の工事にあっては、そんなに簡単に工事ルートを決めることはできません。特に、インドネシアの工事では、予定区間に難所があるために、中国の技術では竣工が危ぶまれる事態もあるのではないかと言われているようです。

その点、新幹線技術は日本が一から作り上げたシステムですし、日本のように狭い国土で、難しい立地をクリアしてきたという実績もあるので、ひょっとすると、中国が投げだした工事を後から日本が引き継ぐという事態もあるかもしれないと言われているようです。

そんなことになれば、「下町ロケット」同様、最後は技術力がモノを言うということになるのですが、実際の工事はどうなるでしょうか。他国の失敗を期待するのは不謹慎かもしれませんが、最近の中国国内の様々な事故を見るにつけ、結果としてうまくいかない可能性は決して少なくないのではないかと思っています。

皆さんはどう思いますか?


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IS(イスラム国)支配地機への空爆についての雑感 [ニュース・社会]

フランスパリで発生した同時多発テロ事件に加えて、ロシア機墜落事故についても、ロシア政府がテロによるものと正式に認めたことで、この両国を中心に、IS支配地域に対する激しい空爆が行われる事態となりました。

それにアメリカとイギリスも加わり、ISの支配地域はおそらく空爆により壊滅的な打撃を受けることになるのでしょう。

この空爆については、ISを壊滅させてテロを止めるためには掃討作戦を行う必要があるということから徹底的な空爆が実施されるのだと思いますが、この光景が、私には70年前に我が国が受けた「空襲」と重なって思えて仕方がありません。

ISの支配地域といっても、何かのときのために「人間の盾」として利用しようとして域外への逃亡を許されなかった非戦闘員も多数存在すると思います。昨日の某局のテレビ放送では「誤爆」による被害が懸念されるというコメントがりましたが、これほどの大規模な空爆ではすから「誤爆」などではなく、非戦闘員に死傷者が出ることは織り込み済みの攻撃であるとみるべきなのだと思います。

70年前の我が国に対する「空襲」も、東京その他の中心都市全土を焼け野原にするような大規模なもので、その攻撃対象として非戦闘員は避けるなどという意識は全くなかったと思います。当時のアメリカの大統領フランクリン・ルーズベルト(ルーズベルトは終戦の年の4月に亡くなったので、原爆投下の指示を出したのはその後を継いだトルーマンでしたが…。)は人種差別主義者としても有名な人物で、普通に生活している日本人がいくら死のうが全く意に介さなかったのだと思います。

そして、今のIS支配地域への空爆についても、有志連合の国々は、その地域で普通に生活したいと願っている人々が空爆によって命を落とすことについて、どれほどの思いを持っているのか、私には分かりかねます。地上戦では、「人間の盾」で攻撃の気勢を削がれる恐れがあるので、敢えて攻撃対象となる「人」が分からないような空爆をしているのではないかという気もしています。

テロを根絶するためにこんな方法しかないのか。理想的なのは、テロの温床となっている貧困を根絶することなのでしょうが、それには時間がかかり過ぎ、その間に新たなテロが続々と計画される。そんな悠長なことはやってられないということなのでしょうが、やりきれなさを感じてしまいます。

自分自身どんな解決策があるのかも分からないし、その解決策を実施する立場にあるわけでもありませんが、本当に不条理を感じるここ数日の出来事です。

平穏に生活したいと願っている多くの人たちに、できるだけ犠牲が出ないことを願わずにいられません。


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タグ:IS 空爆
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札幌市の将来像は [ニュース・社会]

札幌市の上田前市長が退任する前にお聞きした話ですが、北海道内の人口を吸収し続けてきた札幌市の人口は2014年をピークに減少に転ずるという人口予測に基づいて市政の将来像を検討しているということでした。

私自身は、この話を聞いて「自分が思っている札幌市の将来の人口予測とは違う」と思って、札幌市の魅力という視点から、いろいろな場面で発言してきました。

自然に恵まれ、食事も魅力的。おまけに首都圏のような通勤ラッシュとも無縁ということに加え、地球温暖化の影響もあってか気候も厳寒期が訪れることはほとんどないという生活上の魅力は今でも多くの人たちから支持されています。

そして、首都圏には大地震がそう遠くない将来に必ず起こると言われていることから、首都機能の分散は喫緊の課題ですが、その首都機能分散の候補地として、札幌市は最適だと思っています。確かに雪は降るけれども、日本列島を縦断するような大型台風でも必ずと言ってよいほど札幌をそれて行ってくれます。冬に降る雪の恩恵として渇水の心配はまずありません。私自身は、これほど自然災害に襲われない大都市は日本にはほかにないと思っています。

そんな札幌市の優位性を認識した一部の企業が本社機能の一部移転先として札幌市を選択してくれたという話も聞こえてきます。こんな札幌市の魅力を適切に伝えることができれば、人口は減るどころか、札幌圏への人口流入は更に進むのではないかと思っているのですが、そこに下記のようなニュースが報じられました。

道内人口17年連続減 540万8756人 札幌市、社会増全国一
http://dd.hokkaido-np.co.jp/news/life-topic/life-topic/1-0151996.html

社会増全国一というのは一時的な現象ではないと思います。道内の他地域からの流入もあるのでしょうが、本州各地からの移転もこれからどんどん進んでいき、札幌市を中心とした札幌圏の人口はまだまだ増加するのではないかというのが個人的な人口予測です。

この予測が当たるかどうか。皆さんはどう思いますか?


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ISILに「罪を償わせる」という安倍首相発言に対する違和感 [ニュース・社会]

 ■ めでたしめでたし?なのだろうか

皆さんは、2013年度「新聞広告クリエーティブコンテスト」で、最優秀賞を受賞した作品のことを覚えているでしょうか。

「めでたし、めでたし?」というタイトルの作品ですが、内容はというと、子どもが書いたような文字で
「ボクのおとうさんは、桃太郎というやつに殺されました。」
というキャッチコピーの下に、涙を流す小鬼のイラストが描かれています。
そして、下に小さく
「一方的な「めでたし、めでたし」を、生まないために。広げよう、あなたがみている世界。」
というコピーが書かれているものです。

これがその最優秀賞の作品です→http://www.pressnet.or.jp/adarc/adc/2013/no1_b.html

 ■ しっくりこない。安倍首相の「罪を償わせる」

私達は、ISIL(いわゆる「イスラム国」)にとらわれた日本人2名が殺害されたことをこのところ毎日ニュース等で目にしています。安倍首相は、このISILの残虐な行為に対して「罪を償わせる」と強い口調で非難しました。

この考えは米英を中心とする西側諸国にとっては当たり前の感覚なのかもしれませんが、個人的にはしっくりこないものを感じています。

アメリカをはじめとする有志連合は、ISIL壊滅のためにその支配地域に対して空爆を行い、そこで戦闘員だけでない多くの人命を奪っています。そこで損なわれるのは、敵側の陣営に属しているとはいえ人の命であることに変わりはありません。

冒頭の鬼の子の話ではありませんが、ISILの支配地域で生活する人たちには、有志連合は空から爆弾の雨を降らせる悪魔に思われているのではないかと思います。子供時代にそんな思いをしたならば、悪魔を退治するために命を賭して戦うという気持ちになることはむしろ当然ではないかとも思います。

そもそものところで、ISILがここまで勢力を拡大するもとになったのは、イラク戦争の結果樹立された政権から迫害された人たちの受け皿だったという報道がなされています。これにシリア内戦の難民も加わったのかもしれません。

 ■ 行なうべきは居場所を作り出すことでは?

いずれにしても、現体制の中で居場所を見つけられない人たちが、過激なテロ集団であっても自分たちに居場所を提供してくれるISILに自らを投じて、その結果ISILが勢力を拡大したというのが現状だとすれば、行うべきことは、ISILを武力で制圧することではなく、ISILの支配地域の外により住みよい場所を作り出すことじゃないのかと思っています。

北風と太陽の話ではありませんが、コートを脱がすために強く攻撃したとしても人は頑なになるだけです。過激に敵を攻めなくても平和に暮らすことができる場所があれば、多くの人々はそこに移り住み、結果としてISILの勢力は弱体化していくのではないでしょうか。

今の有志連合のやり方は、敵を弱体化するつもりが、自らの手で敵を生み出しているのではないかとすら思ってしまいます。

有志連合の多くはキリスト教国だと思うのですが
「あなたの右の頬を打つような者には、左の頬を向けなさい。」
という聖書の教えをどう考えているのでしょうか。

私自身も考えがまとまっている訳ではありませんが、こんな違和感を抱くのは私だけではないと思います。

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