野田総理の「変心」？

新年明けましておめでとうございます。素直に新年を喜べない境遇の方々も多数いらっしゃるとは思いますが、ここは、年の変わり目を気持ちの節目として、苦しい過去に対する思いではなく、希望のある未来志向で新しい年に臨んでいきたいと念願しています。

そこで、今年のことを考えるとしても、昨年後半の民主党政権の政策変更について自分なりに理解したうえでなければ今年の経済状況の予測もできないと思うので、自分なりの考えを整理してみたいという思いから新年第一回のブログは野田総理の「変心」というテーマにしてみました。

八ッ場ダムの建設再開や北海道新幹線を始めとする整備新幹線の完全着工など、「コンクリートから人へ」という民主党のスローガンは何処へやらという政策変更が昨年末に矢継ぎ早に決定された印象がありますが、この事態は、野田総理が「変心」したのか、はたまた「本性を現した」のか、今の時点では判然としないところがありますが、民主党のマニフェストに賛同して投票した有権者には理解しがたいものだと思います。

そして、このような財政負担を伴う公共工事を実施していながら、「財政立て直しのためにも増税やむなし」というのでは、納得いかない思いを抱くのも当然でしょう。

それなのに、どうして野田総理はこのような有権者の反発を招くような政策を打ちだしたのかというのが、多くの国民が抱く最大の疑問だと思います。一部には官僚の言いなりという批判もありますが、このような政策変更について（土木・建築関係者を除く）多くの国民の受けが悪いことくらいは先刻承知のはずですから、それだけの理由で、次の選挙で大敗するリスクのある政策変更に至ったとすれば、それは総理の資質どころか政治家としての資質にも欠ける暴挙以外の何物でもありません。

それでは、どうして野田総理がこの時期にこのような政策を選択したのかということです。

本来、この国の財政立て直しのためには、構造改革によって規制緩和をすることで民間活力を引き出し、経済を活性化して税収増を図るというのが本筋の政策です。しかし、この手法は効果が出てくるまでに数年の時間がかかってしまいます。残念ながらそれを待っているだけの時間的な余裕がこの国には残されていないとすれば、とにかく即効性のある経済対策を打つ必要があるということになります。

即効性のある経済対策の最たるものが、公共工事によって民間に仕事と資金を回すことですが、多くの公共工事は、民主党の政策によって凍結されてしまっており、これから新たな公共工事を計画したとしても実際に工事を開始するまでには、相当の月日を要することは必至です。

そうなると、直ぐに公共工事によって民間に資金を回すには、計画が出来上がっていてすぐにでも工事を実施できるものを優先せざるを得ないことになります。その結果出てきたのが八ッ場ダムと整備新幹線ということなのではないかというのが私の推理です。

これらの公共工事について、民間に資金を回して経済を活性化するための即効性のカンフル剤として実施に踏み切ったとすれば、私なりに腑に落ちるところはあります。ここで短期の景気刺激策を実施して景気の下支えをしておいて、時間稼ぎをしている間に、長期的な効果が期待できる規制緩和を実施するというシナリオであれば何とか了解できるのではないかという気がしています。

これが、私の推理が外れて、無限定に公共工事をばらまく政策になるようであれば、この国の財政破たんの危険度は更に増すことになってしまいます。望むべくは、今回の政策決定に至った思いを総理自らの言葉で国民に説明して欲しいところですが、弁解せずに愚直に信じたことを行うというのが「どじょう総理」が貫こうと考えているスタイルなのかもしれませんし、次の衆議院選挙まで私たちが国政にかかわれる機会もありませんので、ここは見守るしかないのだと思っています。

難問山積のこの国の命運を託せるのは、今のところ野田総理しかいないのですから。

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タグ：野田総理 八ｯ場ダム マニフェスト 公共工事

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