「コンサルタント」の実力は?(2) [日記・雑感]
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ええ?!そりゃ違うでしょう?!マスダも驚いたその記事の内容。
私が、どうしてコンサルタントの資格要件のことを書いているのかというと、先日、某著名新聞社が発行している経営者向けの雑誌に、事業承継コンサルタントと称する元銀行出身者がびっくりする内容の記事を書いていたからです。テーマはこのコンサルタントが得意とする事業承継に関して、株式を後継者に集中させる必要性に関するものでした。
そこには、先代社長が亡くなって、子供3人が法定相続分で均等相続した事例で、「他家に嫁いだ長女が『経営に参加する意思はないので株を買い取ってほしい。』と言ってきたら拒否することは困難です。長女には株式買取請求権があるからです。」と書いてありました。私がこの記事を読んだ最初の感想は、「えっ?」ということしかありませんでした。
私が学んだ会社法(当時は「商法」の一分野でしたが。)では、株主が株式の買取請求をできるのは、単位未満株や合併や事業譲渡などの会社の重要な決議に反対する少数株主が買取請求をする場合などごく限られた事由がある場合だけだったので、私が知らないうちに法律が改正されたのかと思ってしまいました。(もちろん、それなりに会社法の改正はフォローしていますから、そんな改正を見落としていたら、弁護士としてはかなり恥ずかしいことです。)
そのほかにもこの記事の中には、株主から株式の買取を求められた場合には社長は断れないということがあちこちに書かれており、この記事の記載の論旨の大半はこの買取請求をされたら断れないというところからスタートしていました。
会社法を少しでも学んだことのある方であれば、会社の資本金は、会社財産確保のために安易に減少させることはできないというルールがあるのはご存知だと思いますが、そのため、株主が会社に対して株式の買取請求をするということは特別の例外的な場合以外は認められないというのが原則です。それなのに、この原則を知らないで事業承継コンサルタントをするというのはどういうことでしょうか。
おまけに、この記事には遺言があるのにその内容に納得しない相続人がある場合について「遺産分割の協議で全員の合意が得られない場合、相続人は最低限相続できる割合が担保されます。これを遺留分といいます。」と書かれていました。一見正しいことが書かれているように見えるかもしれませんが、遺言に基づく相続の場合、遺産分割の協議は基本的に行われませんし、遺言がない場合の遺産分割協議であれば遺留分が問題になることもないので、いずれにしても不可解な記述です。
更に、遺留分を侵害した場合には、侵害された相続人は遺留分の範囲で返還を請求でき、一定割合の株を相続されてしまうので重要な決議ができなくなるということも書かれているのですが、遺留分減殺請求をされても、減殺請求を受けた相続人は相続財産そのものではなく、価格弁償という選択をすることができますから、これで会社の経営が滞ってしまうという記述も誤りと言わざるを得ません。
次へ:あなたの読んでいるその記事、本当に大丈夫?
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ええ?!そりゃ違うでしょう?!マスダも驚いたその記事の内容。
私が、どうしてコンサルタントの資格要件のことを書いているのかというと、先日、某著名新聞社が発行している経営者向けの雑誌に、事業承継コンサルタントと称する元銀行出身者がびっくりする内容の記事を書いていたからです。テーマはこのコンサルタントが得意とする事業承継に関して、株式を後継者に集中させる必要性に関するものでした。
そこには、先代社長が亡くなって、子供3人が法定相続分で均等相続した事例で、「他家に嫁いだ長女が『経営に参加する意思はないので株を買い取ってほしい。』と言ってきたら拒否することは困難です。長女には株式買取請求権があるからです。」と書いてありました。私がこの記事を読んだ最初の感想は、「えっ?」ということしかありませんでした。
私が学んだ会社法(当時は「商法」の一分野でしたが。)では、株主が株式の買取請求をできるのは、単位未満株や合併や事業譲渡などの会社の重要な決議に反対する少数株主が買取請求をする場合などごく限られた事由がある場合だけだったので、私が知らないうちに法律が改正されたのかと思ってしまいました。(もちろん、それなりに会社法の改正はフォローしていますから、そんな改正を見落としていたら、弁護士としてはかなり恥ずかしいことです。)
そのほかにもこの記事の中には、株主から株式の買取を求められた場合には社長は断れないということがあちこちに書かれており、この記事の記載の論旨の大半はこの買取請求をされたら断れないというところからスタートしていました。
会社法を少しでも学んだことのある方であれば、会社の資本金は、会社財産確保のために安易に減少させることはできないというルールがあるのはご存知だと思いますが、そのため、株主が会社に対して株式の買取請求をするということは特別の例外的な場合以外は認められないというのが原則です。それなのに、この原則を知らないで事業承継コンサルタントをするというのはどういうことでしょうか。
おまけに、この記事には遺言があるのにその内容に納得しない相続人がある場合について「遺産分割の協議で全員の合意が得られない場合、相続人は最低限相続できる割合が担保されます。これを遺留分といいます。」と書かれていました。一見正しいことが書かれているように見えるかもしれませんが、遺言に基づく相続の場合、遺産分割の協議は基本的に行われませんし、遺言がない場合の遺産分割協議であれば遺留分が問題になることもないので、いずれにしても不可解な記述です。
更に、遺留分を侵害した場合には、侵害された相続人は遺留分の範囲で返還を請求でき、一定割合の株を相続されてしまうので重要な決議ができなくなるということも書かれているのですが、遺留分減殺請求をされても、減殺請求を受けた相続人は相続財産そのものではなく、価格弁償という選択をすることができますから、これで会社の経営が滞ってしまうという記述も誤りと言わざるを得ません。
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