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facebookスパムアプリとビッグデータビジネス [ニュース・社会]

Facebookを利用していると、時々「誕生日」というアプリへの友達からの招待が届きます。
招待している本人は、自分の名前でそんな招待が友人に送られていることは知りません。

これは、自分が誰かからそのアプリに招待された際に、不用意に「友達」などの個人情報へのアクセスに”同意”したことから、その情報をもとに『勝手に発信された招待』です。

同様のアプリは、Facebook上ではいくつか見受けられます。
「○○診断」や「連絡先」といったものもありますが、いずれも、個人情報へのアクセスに同意することを求めてくるので、その時点で拡散されてしまうリスクに気付かなければなりません。

Facebookには招待機能があるので、友人に有益なアプリを紹介するためにこの機能を意識的に使っているのなら結構なのですが、これらのアプリは、勝手に友人にアプリへの招待を送り、送られた方は知り合いからの招待なので警戒心を持たずにそのアプリにアクセスして、自分の知らないところで個人情報が勝手に利用され、更に自分の友達にアプリの招待が送られるという拡散の流れが起きてしまいます。

 ■ スパムアプリで収集された個人情報の利用は、個人情報保護法に違反するのか?

こうやって、アプリ開発者は短期間に膨大な数の個人情報を収集することが可能になります。
Facebookは実名登録が原則で、名前だけでなく年齢や住所地、家族構成、出身校なども登録している人が多いので、そこに登録されている個人情報だけでも解析することで、営業上のターゲットを絞ったり、特定の層に所属している人の嗜好の傾向を発見したりすることが可能になります。

その分析結果は、事業会社に有償で売却されるなどの利用が想定されているものですが、これは個人情報保護法に違反する可能性が大きいものです。

個人情報保護法1条は
  「高度情報通信社会の進展に伴い個人情報の利用が著しく拡大していることにかんがみ、
  個人情報の適正な取扱いに関し、基本理念及び政府による基本方針の作成その他の
  個人情報の保護に関する施策の基本となる事項を定め、国及び地方公共団体の責務等
  を明らかにするとともに、個人情報を取り扱う事業者の遵守すべき義務等を定めることに
  より、個人情報の有用性に配慮しつつ、個人の権利利益を保護することを目的とする」

と規定しており、大量の個人情報が高度情報通信社会の中で財産的価値を持つことを前提に、個人情報の保護を図ることを目的として制定されたものです。

個人情報保護法17条は
  「個人情報取扱事業者は、偽りその他不正の手段により個人情報を取得してはならない。」
と規定し、また16条1項では
  「個人情報取扱事業者は、あらかじめ本人の同意を得ないで、前条の規定により特定された
  利用目的の達成に必要な範囲を超えて、個人情報を取り扱ってはならない。」

と規定されています。

しかし、これらスパムアプリの開発者は、ユーザーに有益な情報を提供するという形式を装って真の目的は個人情報の収集をしているわけですから、「偽りその他不正の手段により個人情報を取得」したと言われてもしょうがないのではないかと考えています。

 ■ Amazonが多様な商品を安く提供できる理由

一方で、私は、Amazonなどでネットショッピングをすることも良くあるのですが、目的の商品を探している途中でゴルフクラブなどの興味のある別の商品の情報が画面に表示されたり、ときには、メールで新製品の情報が送られてきたりします。

実はこれもAmazonが保有する大量の顧客の購入履歴や検索履歴を分析して、そのユーザーが最も興味を持ちそうなものの情報を提供するようシステム化されているもので、Facebookの画面上に現れる広告も、ユーザーの属性に合わせたものを表示するようにプログラミングされています。

ネット書店からスタートしたAmazonが、いまでは多様な商品を安く販売できるというシステムを構築できたのは、保有している大量の個人情報を有効に活用することによって、商品購入が期待できるユーザーに直接アプローチできることで、広告・宣伝費を大幅に圧縮できるようになっているからです。

その意味では、私たちは、ネットサービス提供者に個人情報を提供する代わりに、効率的に自分が興味を持つものに関する最新情報を手にできるという恩恵も受けているのですが、
一方で、サービス提供者は、商品の販売業者から多額の手数料収入を得て事業を展開するという収益モデルを確立しています。

 ■ 無料SNSを利用する際のリスクを理解し、うまく活用しましょう

私たちが無料でSNSを利用できるのも、『サービス提供者がほかで収益を上げているから』という理屈は理解すべきですが、私たちに何の恩恵ももたらさないスパムアプリによって個人情報を勝手に使われるというのでは納得がいきません。

ネットを便利に利用するためには、そこに個人情報の提供という見返りがあって、その提供された個人情報の集積が、サービス提供者にとって大きな収益源になる可能性があるということは知っておく方が良いでしょうね。


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