公的年金運用先の見直しはアベノミクスの裏ワザか [ニュース・社会]
公的年金の積立金を運用する年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)が進める運用見直しについて、田村厚生労働大臣が作業の前倒しを要請し、想定していた年内の見直しを秋に早める見通しだと報道されています。
これまでの年金運用先は、安全性を優先して株式投資の割合は低く、その分収益性も低かったために、想定通りに年金の積立金の増大ができなかったことから、運用先を見直すということなのだと思います。
運用先の変更によって年金の積立金が増大するのであれば、私たちが将来受け取る年金財源が厚くなるので歓迎といった面はあるのですが、この運用先の見直しには裏の目的があるのではないかと勘ぐってしまいます。
というのは、この度の運用先の見直しによって増えるのが、国内株式への投資だからです。
■ 年金の運用先が国内株式になると何が起こるのか? |
GPIFは、約129兆円の積立金を運用する世界有数の機関投資家ですから、その投資マネーが向う投資先の資産価値は間違いなく上がるとみて良いでしょう。ですから、この投資マネーが国内の株式市場に流入すれば、国内の株価が上昇することはほぼ間違いないといえます。
安倍政権になって、国内に景気回復の機運が高まったのも、異次元の金融緩和と円安を背景に、民主党政権時代の株安から一転して株価が上昇に転じたからですが、このGPIFの運用先変更は株価をさらに押し上げる効果が予想されます。
安倍政権は、成長戦略の分野では、今一つ国民を納得させられる政策を打ち出せていないような気がしますが、株価が再上昇のカーブを描くようになれば、そのことに対する批判の声も少なくなります。
そして市場には景気の良い話が飛び交うようになり、国民の多くが景気回復を実感できるようになるというのが安倍政権の描いている今後の経済運営なのだと思います。
このような理想的なシナリオ通りに国内景気の回復が進めば良いのですが、官制の株高がいつまで続くのかは未知数ですし、これに対抗する海外のヘッジファンドなどの動きによっては、一気に年金財源が破たんするリスクも孕んでいる政策でもあるので、手放しで歓迎できるものでもありません。
ただ、これだけは言えると思っているのは、これから年末にかけて日本株は買いです。株式投資に興味のある方は、今が始めるチャンスかもしれません。
でも、株式投資にはリスクはつきもの。あくまでも自己責任で投資してくださいね。
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