倒産会社代表者の想い

自分が経営していた会社が倒産することは、自分の収入の道を断たれることはもちろんですが、従業員を路頭に迷わせ、もちろんこれまでお世話になっていた取引先や金融機関などの債権者にもご迷惑をおかけすることになります。



倒産会社の代表者のほとんどは、これらの多くの方たちにご迷惑をおかけするということを何とか避けたいと奔走して、万策尽きて私たち弁護士に相談しに来られます。

会社の経営が苦しいと思いだしてから、実際に弁護士に相談するまでどの程度の時間があるでしょうか。突発的な事情で資金ショートしてしまうということもあるでしょうが、多くの場合は、何か月も前から苦しい月末の資金繰りを何度か乗り越えてきた後に相談に来られます。

万策尽きて相談に来ているはずなのに、それでも何とか取引先にご迷惑をおかけしない方法はないかと尋ねる社長もおられます。



このような相談を受けるにつけ、なんでもっと早く相談してくれないのかという気持ちになります。



私が、中小企業診断士を目指したのは、万策尽きる前に相談を受けて、業績を立て直すお手伝いをすることに意義があると感じたからでした。
以前は、もっと早く相談してもらえればなんとかできたのにと思いつつも、実際に持っているノウハウとしては、法的な再生の手法を中心としたものしかなく、引き出しはあまり多くなかったというのが実情でした。

それが、今では、十分とはいえないまでも、経営全般に対するアドバイスをして、企業の経営改善をお手伝いできるスキルの一端を身につけられたというところまでやってこれたと思います。



私は、今後、弁護士が法的紛争を扱うだけでは、社会のニーズに十分に応えていないといわれる時代が来るのではないかと思っています。

いつの時代でも、社会に必要とされる仕事が廃れることはありません。その意味でも、もっともっと中小企業支援の実力アップを図っていきたいものです。

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