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独立の春 [弁護士・法律・裁判]

今日で平成19年度が終わります。



私が弁護士に登録した当時は、司法修習が終わって弁護士に登録するのも4月だったので、3月末が年度末というのは全く違和感がありませんでしたが、今は、司法修習が終了するのが9月や12月という時期なので、3月末で年度末というのは今ひとつすっきりしない感じがします。

それでも、弁護士会の年度も3月末で一区切りとなります。私も2年間務めた札幌弁護士会の某委員会の委員長職を終了し、4月からは別の委員会の委員長に就任することになっています。

今までは、会員対象の委員会だったのですが、これからは、弁護士業務改革推進委員会という対外的に活動する委員会なので、中小企業診断士的視点でいろいろな提案をしていきたいとも考えています。



また、事務所の中のことでは、3年間勤めてくれた若手の弁護士が、同期の仲間と3人で新しい事務所を作って独立することになりました。

私たちが弁護士になったころは、弁護士登録後3年から5年で独立して開業するというのは既定の路線でしたが、今ではなかなか独立も難しくなり、特に一人で独立するのにはかなりの勇気が必要な時代になってきていると思います。

それなのに、司法試験の合格者数は年々増加し、司法修習が終わっても勤務できる事務所を見つけることも出来ず、即独立しなければならない「即独(ソクドク)」弁護士という人たちが出てくることが予想されています。



私たちの業務は、基礎的なスキルを身につける時間はどうしてもある程度必要なのですが、大学でも、司法研修所でもそのための時間は十分には確保されていないため、弁護士に登録してから学ぶ機会を持たないと、実務について余り知識を持たない弁護士が一人で事務所を開設するということになってしまいます。

事件を依頼する側の人たちは、弁護士のキャリアについて十分な情報を収集する機会がなかったり、あるいは、依頼する弁護士を選べないという方もいるでしょうから、そのような経験の無い弁護士に当たってしまえば、普通の弁護士ではつまずかないようなところで大きなミスをする危険もあるわけです。



最近の司法試験合格者増は、司法修習生の質の低下を招いているといわれますが、それに増して、弁護士登録後も学習の機会をもてなければ、そのレベルが報酬をいただくに値しないということもあるかもしれません。

私たちの事務所は、多様な実務経験と業務を通じた学習の機会を与えることができる体制になっているので、上記のような心配は無いと思っているのですが、そのような事務所ばかりではないので、将来の私たちの業界がどうなってしまうのかという不安はなくなりません。

弁護士会は、現状を検証した上で、司法試験合格者年間3000人という目標の見直しを提言していますが、その背景には、依頼者の皆さんにご迷惑をお掛けしないように一定のレベルを確保するためには、3000人という人数が多すぎるという考えがあるということを是非ご理解いただきたいと思います。



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