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匿名社会と監視社会 [ニュース・社会]

秋葉原の無差別殺人事件以来、インターネット上に同じような無差別殺人を予告する書き込みが多数なされているという報道がされています。



書き込みをする人のほとんどは、実際にやる気はなく、単にその書き込みで憂さ晴らしをしたいという程度の気持ちだと思いますが、それを目にした側は、犯罪の防止のために対応せざるを得なくなるので、単なるインターネットの書き込みでは済まされない、罪作りな行為ということになります。

秋葉原の事件以来、このような書き込みをしたということで、これまでに10人以上の人が逮捕されているようですが、おそらく書き込みをした人は、自分が書き込んだことはばれないだろうという軽い気持ちで書きこんでいたのではないかと思います。

しかし、インターネットの世界では、このような書き込みは、自分が契約しているプロバイダーを経由して行うことになり、その痕跡が残ってしまうので、誰が書き込んだか分からないということはありません。

ネット社会は匿名性が特徴で、その匿名性を隠れ蓑にした陰湿ないじめが横行するということもありますが、そのことが犯罪につながるような場合には、きちんと捜査をすることで書き込みをした人物は特定可能なのです。

ただ、そこには、個人情報の保護や通信の秘密の保護という別の保護すべき利益があるために、通常はそこまで調査を行われていないというだけなのです。


その意味で、ネットの匿名性は完全ではありません。


一方、凶悪犯罪の多発や北海道洞爺湖サミットを期に、街中に監視カメラが多数設置されているという状況があります。

これまでも、高速道路を走行する車のデータが収集されているなど、一般の市民の知らないところで、私たちの行動はかなり警察などの国家機関に把握されています。

それが、犯罪行為の抑止という目的で、分かりやすい形で監視活動が行われるようになってきたというのが現在の状況です。

このように監視カメラに見守られる社会は、一見安全で住みよいようにも思われますが、人間は完全な存在ではありませんので、通常は見過ごされてしまうような小さな違法行為を行ってしまうこともあります。

国家権力が敵視している人物がこのような小さな違法行為を行ってしまった時に、監視カメラの画像を証拠として、不当に断罪されてしまう恐れがないとは言えません。

仮に裁判で無罪を勝ち取ることができたとしても、それまでの期間逮捕・勾留されてしまえば、社会生活はずたずたにされてしまい、信用の回復も思うようにならないという現実が待っています。

また、監視社会は、個人のプライバシーを失わせる社会でもあります。

匿名社会も監視社会も、私たちにとって望ましい社会ではないと思います。社会に生活する私たちが、適度な距離感をもって、お互いのことも分かりながら暮してきたこれまでの社会の良さをなくさないようにしたいものです。


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