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大阪地検特捜部の元部長・副部長に大弁護団? [ニュース・社会]

ツイッターの画面を見ていると,起訴された前田元検事の上司であった大阪地検特捜部の元部長と副部長の弁護人に数十名から100名規模の弁護士が名を連ねているということが話題になっていました。

この大勢の弁護団の数を見ると,まさか,この両名が個人として弁護料を支払ってこれだけ大勢の弁護士に弁護人を依頼したとは考えられないので,弁護人として名を連ねた弁護士の方が手弁当で参加してくれているのだというのが一般の方のイメージだと思います。私もそう思います。

それでは,大勢の弁護士が参加した理由についてですが,この両名が法曹として人望があったからなのでしょうか。本人をよく知っていて,両名が報道されているような犯罪に関与したはずはないと思っている人もいるかもしれませんが,私は,そのように単純には評価できないのではないかと思っています。

通常,このような大弁護団が形成される過程について説明しますと,コアとなる弁護士数名が本人からの依頼を受けて実務を担うのですが,そのコアとなる弁護士が,その事件を通じて法的な不正義を正したいと思っている人たちに呼び掛けて弁護団に参加を求め,その結果,大勢の弁護士が参加するということが多いのです。

司法研修所同期の弁護士が弁護人として多数参加しているとも報道されていますが,司法研修所の同期が刑事事件の被疑者・被告人とされたときに,弁護人に名を連ねて欲しいと声をかけられたら,積極的な弁護活動はできないが名前だけなら参加しても良いと考える弁護士は少なくありませんので,そのようなことで参加している弁護士も多いでしょう。(意識としては,参加しないことで人間関係をまずくしないための,お付き合い程度の参加です。)

もちろん参加する人の中には,被告人本人のためを思っての方もいるのでしょうが,本件の場合には,地検の上層部にいた被疑者が取り調べの可視化を求めているということが一つのポイントなのではないかと思っています。

弁護士会において刑事弁護に関わってきた弁護士の多くは,これまでの多くの冤罪事件が密室での過酷な取り調べによって引き起こされてきたことを知っており,そのような過酷な取り調べが行われたか否かを後日検証するために取り調べの可視化は不可欠と訴えてきました。

これに対して,検察や警察は消極的な対応をしてきた訳ですが,その組織の上層部にいた被疑者が取り調べの可視化を強く求めているという,何とも皮肉な状況ではありますが,この事件は,取り調べの全面可視化に向けた大きな契機となる可能性のある事件です。

そのような意味で弁護人に名を連ねている弁護士も少なくないのではないかと思うのです。

今後この両被疑者に対する捜査がどのように行われるのか,また逮捕までした両名を本当に起訴まで持っていけるのか,まだまだ予断を許さないところだと思います。

いずれにしても,法曹関係者としては,注目せざるを得ない事件です。


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