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福島の汚染水問題はオールジャパンで取り組むべき問題のはずなのだが… [ニュース・社会]

福島第一原子力発電所の事故から既に2年半が経とうとしていますが、施設が大きく破壊されているために放射性物質に汚染された原子炉建屋などに地下水が流れ込み汚染水が日々増加している状況に加えて、汚染水を貯蔵しているタンクからの水漏れが発生して、自然環境に対する影響が懸念される事態になっています。

 ■ 政府や東電の汚染水への取り組みは効率的なのだろうか

政府は、東電任せをやめて、汚染水対策についても前面に立って対策に取り組むようですが、傍から見ていて思うのは、汚染水をこのままタンクに貯めているだけではいつかはパンクしてしまうので、一刻も早く効率的な汚染水の浄化システムを構築する必要があるということです。

福島民報のサイトによると
「東電は放射性物質除去装置で汚染水を浄化しているが、取り除くことのできる核種は限られているという。高性能の多核種除去設備(ALPS)を導入する計画があり、今月中にも試運転に入る見通し。」
というのですが、その処理能力は
「ALPSは前処理設備と、交換式フィルターを詰めた十数個の吸着塔で構成される。3つのラインで1日500トンの汚染水を処理する。」ということでした。

一方では
「事故で放射性物質に汚染された原子炉建屋などに地下水が流れ込んで年間14万5千トンの汚染水が新たに発生するとみている。2月時点では約26万トンに上っており、タンクなどで貯蔵している。現在確保しているタンク容量は約32万トン分で、今後70万トン分まで増やす方針だが、それでも約3年でいっぱいになってしまう。東電は、たまっている約26万トンとともにALPSで処理を終えるのは5〜6年かかるとみている。」
ということなので、計画通りに行っても5~6年、その間に不測の事態が生じた場合にはどうなるか分からないというのが正直なところだと思います。

 ■ 福島の汚染水にもっと効率的で低コストな方法がある!

そんな危惧を持っていたところ、先日知り合いから紹介されて訪問した企業が開発した汚染水の凝集剤が福島の汚染水にも効果的に利用できるという話を聞きました。

私も簡易な実験を見せてもらったのですが、泥水や沖縄の赤土などの粒子の細かい物質を含んだ汚水にこの凝集剤を添加して撹拌すると、汚れの元となっている粒子が凝集剤に吸い付けられて塊になり、きれいな上澄みとはっきり分離されることが見て取れました。

他の凝集剤と比べると、沈殿している塊の大きさは明らかに大きくなっているため、この水をろ過するためのフィルターも高性能のものを利用する必要がないので、コストも安く効果的に水を浄化できるというのです。

社長から話を聞いてみると、福島の汚染水にも有効だし、ALPSよりもはるかに効果的に浄化できる(処理速度は1時間に100トン以上)というのです。
(前述のALPSでは凝集剤によって固めても粒子がかなり小さいため、フィルターの目詰まりによる浄化効率の低下やフィルターの交換コストが非常に高くなる恐れがあります。)

 ■ 東電で採用されないなら、まずは周辺地域の除染の際に発生する水の再利用から

そんな良いものなら”なぜ東電に売り込みに行かないのか”というのが今回書きたかったことなのですが
『従来東電と関係のない業者がいかに良い製品を持っていたとしても、取り上げてくれることは無い』
とはじめから諦めているようでした。
東電が採用する浄化装置に関しては、これまでも原子炉開発等で関係の深い企業の技術が採用されることが決まっているというのです。

それで、この会社では、この水処理の仕組みを、福島で行っている除染で発生する水の再利用のために活用することを計画し、現在働きかけを始めたところということです。
除染の際に放射性物質を水洗いした時に発生する汚染水を、この凝集剤を利用して浄化して、浄化後の水を除染に再利用するということで、汚染水が自然環境に放出されるのを防止するという取り組みです。

この除染で発生した汚染水の処理について、放射性セシウムの含有量に関する分析を行った報告書を見せてもらいましたが、除去率99.85%と、飲料水に使用できるほどのクリーンさで、そのまま河川や海に流しても自然環境に影響を及ぼすことはないということです。

 ■ 日本の将来のために最善を尽くすべきではないのか?!

除染水の問題だけでも意義のある取組ではありますが、福島第一原子力発電所の敷地内にある高濃度の汚染水の処理の方が喫緊の課題であることは論を待たないと思います。

我が国の将来に大きな禍根を残す問題にはオールジャパンで取り組むべきだと思うのですが、こんなところにまで利権構造がはびこっていることに怒りを覚えるとともに、何か良い手立てがないものかと思案しているところです。

なお、この技術は放射性物質以外の汚染水にも極めて有効だということで、バングラデシュなどの海外の低所得地域の飲料水対策にも利用されるようです。

興味のある方は、紹介しますので、私に一声かけてください。

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秋田書店の「読者プレゼント景品水増し」問題と懲戒解雇 [ニュース・社会]

秋田書店の「読者プレゼント景品数水増し」問題が意外な方向に展開しています。

この「読者プレゼント景品数水増し」問題が最初に報道されたときには、問題が問題なだけに、情報源が内部通報だと思った方は多いと思います。

 ■ 公益通報者保護法違反-今回の懲戒解雇は「不利益処分」にあたるか                                 
公益通報者保護法は、勤務先企業の違法行為について、一定の条件を満たしたときには、外部に通報することに対する報復としての不利益処分を禁止しています。
不利益処分を禁止することで、内部通報をしやすい環境を作り、結果として消費者等が被害に遭うことが無いようにするというのが立法の目的です。

したがって、本件でも、内部通報した社員がそのことを理由として不利益処分をされたのであれば、公益通報者保護法違反の処分として、処分の取り消しや損害賠償を請求することができます。

それなのに、問題の社員が、会社から懲戒解雇をされていたというので、私は
「公益通報者保護法違反じゃないの?」
と単純に思ってしまったのです。

公益通報者保護法があるために、内部通報をしたことを理由に不利益処分をすることはできないとはいっても、実は、多くの不当解雇は、その他の理由でなされるので、そのことを直接公益通報者保護法違反と主張するのは難しいところがあります。

本件もそのような事案ではないかと勝手に推測していたのです。


 ■ 内部通報は懲戒解雇より後だった-解雇された社員からの告発                                    
ところが、実態は、「懲戒解雇が先」で、その後に「解雇された社員が労働組合に加入」して、不正の事実が明るみに出たということのようです。

懲戒解雇の理由は、「多数の読者にプレゼントを発送せず、不法に窃取した」というもので、この内容が事実であれば懲戒解雇もあり得るとは思いますが、通常そのような処分をするために必要とされる本人からの弁明の機会が与えられていたのか否かについてまでは報道されていないので、今のところは分かりません。

秋田書店くらいの著名企業ですから、顧問弁護士もいると思われるので、事実無根のことをでっち上げて懲戒解雇したとは考えにくいところですが、労働事件として傍から見ている分には興味深い展開が予想されます。

 ■ 会社と従業員のやりとりは「証拠化」が重要                                                
このようなときに、労働者側の弁護士は、会社の主張する解雇事由の存在を争うか、仮に会社の主張する事実があったとしても、「解雇」という処分は『重すぎる』という争い方をします。

そうなると、会社側が「プレゼント窃取」についてどれだけの証拠を用意しているのかがこれからの争点になるのですが、証拠が弱い場合には、会社側が相応の金銭を支払って退職してもらうという敗訴的な和解をすることになります。
(復職は、現実問題として、労働者本人にも精神的につらいところがあるので、表面上復職を求めていても、実際に復職する例は多くありません。)

私も、従業員の不正を理由とする解雇等の相談を受けることがありますが、その際に行うアドバイスは、従業員とのやり取りをきちんと証拠化しておくということです。

部下の不正に対して口頭の確認だけで済ませて、処分も口頭で行うだけでは、後日争われたときに立証のしようがないという事態も生じます。そのようなことの無いように、不正の事実については具体的な事実を記載した本人の始末書を提出させ、最終的な処分に至る軽い処分についても、処分通知等の形で証拠化しておくべきです。

労働事件は、職場のデリケートな人間関係の中で起こるものですから、処分する側も気を使いがちですが、気を使いすぎて、肝心な証拠化を怠るのは本末転倒なので、注意が必要です。

手続的に迷ったときには、素人考えで事を進めずに、弁護士に相談しながら対処する方が間違いは少ないでしょうね。


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センター試験 受験問題持ち出しについて [ニュース・社会]

先週末、大学入試センター試験が実施されましたが、受験生が試験時間中に一時退席した際に受験問題の冊子を持ち出して予備校関係者に渡していたという事実が発表されました。

大学入試センターの発表では、今回が初ということですが、これが果たして過去に本当になかったのかとなると少し疑問に感じます。これまでも行われていたけれども、それが発覚していなかっただけではないかという気もします。

試験中の途中退席は、トイレや体調不良の場合に限定して認められるようで、トイレのための一時退席は監督者立会いの条件つきで、戻ってからの受験も認められるということになっています。

今回問題になった受験生は、試験監督に特に理由を告げずに退席が認められ、学校の正門前で予備校講師に受験問題を渡して、退席から15分後に自習室に行ったところを発見されたというのですから、この科目の得点は端から期待していなかったということなのでしょうが、それにしても、そのような行為をそそのかす予備校講師も講師なら安易にそのそそのかしに乗ってしまう受験生も受験生です。

想像するに、その科目は受験生にとっては志望校との関係で採点対象にならない科目だったのかという気はしますが、それにしても、そのようなことを安易に行ってしまう感覚には不安さえ覚えます。

 マスダが想像するこの事件の背景・事情                                   
職業柄か、こういうニュースに接すると、事件の背景事情がとても気になります。問題の受験生はどうしてこんな依頼を受け入れたのか、予備校がリスクを冒してまでこのようなことをする意義(リスクがあると感じていなかったのかもしれませんが…。)などについてです。

問題の受験生は年齢が19歳と表示されていたので、浪人生だと思われます。とすると、彼女は予備校と深いつながりの中で予備校関係者からの働きかけに安易に応じてしまったということなのでしょうが、通常受験の際には、心身ともに健全な状態で本番当日を迎えることが必要だということを予備校関係者は受験生に指導するはずです。

それが、受験当日に「明らかに不正と分かっている行為をするよう働きかける」ということはどういうことなのでしょうか。この受験生は、不正を行った当該の科目以外の科目でも、おそらく試験に集中できずに普段の実力を発揮できなかったのではないかという気もします。

依頼した予備校講師は不正をしてまで問題を持ち出すことは依頼していないと述べているようですが、試験時間中に問題を学校の正門前で受け取ったというのですから、この弁解が不合理であることは明らかです。

このようなことが予備校ぐるみで行われていたとすれば、不正に関与する受験生が受験に失敗してしまうことよりも、自分たちの予備校が他校に先駆けて模範解答を出す経営上の効果を優先したと考えることもできるのですが、そのような体質がこの予備校の本性だということが露呈すれば、逆に経営上の不利益になるということも十分にありうることです。

加えて、受験問題は持ち帰り可能ですから、受験時間が終われば受験生から正規に受け取ることも可能です。したがって、このような不正を行って得られる時間上のメリットは非常に限定的で、そのようなわずかな時間のためにこのような不正を行ってしまうというのが予備校ぐるみの行為であるということも考えにくいことです。

ひょっとすると、依頼した予備校講師が、自分の優秀さを示すためにあらかじめ問題を入手して検討したうえで、予備校内で行う検討会に出席してすらすらと問題を解いて見せることを目的としていたのではないかというところまで想像力を膨らませてしまいます。

 「こんなことがなかっただろうか?」~想像力に磨きをかける                                   
私は、法科大学院の学生や司法修習生に対して、「想像力を働かせてください。」と言うことがよくあります。事件の解決を相談に来ている依頼者でも自分の抱えている問題の一部始終を語ってくれる訳ではありません。実態を把握するためには、こちらから積極的に質問する必要があるのですが、その質問の元になるのは、「こんなことがなかったのだろうか」といった想像力です。

目の前に現れていない事情も、想像力を働かせて立体的にイメージすることで、事案の把握に必要なピースに気づいて確認することができるようになります。そんなことから、学生たちにはニュースでも漫然と見聞きしているだけでなく、その背後の事情を想像する習慣をつけることを勧めています。

想像力に磨きをかけると、対人関係でも相手の内心に対する関心が高まり、自己中心的なコミュニケーションも避けられるようになります。

私たちの世界がそんな想像力を持った人たちだけで埋め尽くされたなら、対人関係はもっと円滑になるような気がしますが、今回の事件関係者の想像力にはかなり問題がありそうです。


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2013年の展望 アベノミクスの行方 [ニュース・社会]

遅ればせながら、みなさまあけましておめでとうございます。
今年も私が勝手に書き綴るブログにお付き合いいただければ幸いです。
******
さて、師走に行われた衆議院選挙は自民党の大勝で終わり、民主党政権の終焉と安倍首相の再登板によって2012年は終わりました。
安倍首相は、財政再建を後回しにしてでも景気対策に取り組む姿勢を示しており、年明けから矢継ぎ早に経済対策を打ち出して、企業関係者も今年の景気予測は軒並み景気回復を予測しています。

 アベノミクス~ハイパーインフレの懸念                                   
私も、景気が回復して企業収益が上がり、法人税収入が伸びていかないと財政再建の道筋も見えてこないので、景気回復が優先というのはその通りだと思うのですが、その方法として金融緩和と公共投資を積極的に行うということには危うさを感じています。
また、安倍首相の提唱する2%のインフレ目標設定も注目を浴びています。これは、日銀との協調によって目標を達成することを目指していますが、報道によれば、安倍政権の圧力によって日銀の独立性が損なわれかねない事態まで危惧されるところではあります。
物価が下がり続けるデフレの時代には、待っていれば値段が下がるという気持ちが物の買い控えにつながりますが、インフレになれば待っていても価格が上がるので、必要なものは早く買ったほうが得という気持ちになります。従って、インフレには需要を喚起する効果があるのですが、副作用があることも忘れてはいけません。

特に、国債の発行残高がおよそ1000兆円という現在の財政状況では、インフレによる物価上昇は金利の上昇にリンクしているので、インフレは国債の利払い資金の増加に直結します。インフレによる元本の目減り効果はあるものの、景気回復による税収の増加が追いつかなければ、財政破綻に結びつきかねない危険な政策であるということは否定できません。
安倍首相になったことで、一部の経済通からは、インフレ目標が行きすぎて、制御の効かないハイパーインフレになる懸念も指摘されています。ハイパーインフレになるとお金の価値は急落することになり、国内に預金をしていても損をするだけなので、預金を外貨建てに変更するなど既に対策を打っている人たちもいるようです。

 果たして景気は上向くのか?                                        
そんな経済情勢ではありますが、私も、今年は間違いなく景気回復基調になるだろうと予測しています。昨年の三党合意で消費税の増税を決めたとはいっても、景気が上向くことが消費税率引き上げの条件という足かせがあるので、政権だけでなく税収増をもくろむ財務省も今年上期の景気対策は必須であると考えており、そのために多少の公共投資のバラマキにも目をつぶる姿勢が見て取れるからです。
いってみれば、平時であれば財政出動のブレーキ役の財務省も政府と一緒にアクセルを踏む状況ですから、公共事業というカンフル剤が効いて今年上期の景気は間違いなく上向きになるはずです。

しかし、公共事業に投入する財源がプールされているわけではありませんので、その費用は国債の追加発行という借金によって賄われることになります。借金はいつかは限界が来ますから、このような政策をいつまでも続けるわけにはいきません。カンフル剤による景気対策は短期的にしか使えないので、その効果が残っている間に、抜本的な景気対策を打てなければ、景気回復は腰折れとなり、積み増しされた借金だけが残るという最悪のシナリオもあり得るということです。

よく、日本の国債発行残高を上回る国内の預金残高があるのだから、ギリシャなどのヨーロッパの国とは事情が異なるという話を聞くことがあります。確かに、発行される国債が国内で引き受けられている間はそのようなことが言えるところはあるのですが、財政規律をおろそかにしていては、いつかは国債発行残高が上回ってしまうときが来るので、抜本的な対策を打たなければならないことに変わりはありません。

 マスダの懸念~投資ファンドの存在                                        
それ以上に私が懸念しているのは、投資ファンドの存在です。これまで、サブプライムローンの破たんやヨーロッパの金融危機の引き金を引いたのは投資ファンドが一斉に資金を引き揚げたからと言われています。政府がいくら安全であるというメッセージを発しても、利にさとい投資ファンドが一斉に資金を引き揚げることでその危険性が顕在化すれば、市場は雪崩を打って資金を引き揚げにかかります。その結果は、金利の急上昇による利払い資金の増加、利払いのための国債の追加発行を行っても引き受け手が見つからず、資金がショートして、ついにはデフォルト(支払い停止)という事実上の財政破たんに追い込まれるのです。

現在、日本の国債は国際比較の中ではまだましな投資先という見方をされていますが、投資ファンドが一儲けをたくらんで、国債を大量に取得して値を上げた後に一気に放出するという暴挙に出るようなことがあれば、日本国債の信用は暴落してしまいます。実は、日本国債はそのようなターゲットにされるリスクが現実的にささやかれるほど危機的な状況にあるということは知っておくべきでしょう。

私たちは、昨年の総選挙で、自民党を中心とする政権にこの国の近未来を託す選択をしました。その選択は、現実的なものとして現状では最善の選択だったとは思いますが、その政権が必ず正解を出してくれるとは限りません。むしろ、現状では、分岐点ごとに最善の選択をとり続けることができなければ、いつこの国の経済が崩壊してもおかしくない瀬戸際にあるということは自覚しておく必要があります。

国の運営は政権に委ねるとして、私たち自身は、国が何かしてくれると期待するのではなく、万が一国の財政運営が誤ったとしても大被害を蒙らないよう、自己防衛しておくことも忘れないようにしたいと思っているところです。

皆さんは、何か対策を行っていますか?


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師走総選挙雑感 [ニュース・社会]

12月16日に衆議院議員の総選挙があり、政権党である民主党が歴史的惨敗を喫したということが報道されています。これまで民主王国と言われた北海道も、小選挙区では全敗、わずかに比例復活が2議席と大きく議席を減らすことになってしまいました。

 今回の選挙結果~マスダが感じた印象                                       
今回の選挙結果に対するマスコミの評価は、自民党が大勝したというよりも、民主党が大きく負けただけという論調が多いと感じていますが、私の基本的な印象も同じです。

ただ、忘れていけないのは、民主党は、前回の選挙で大勝したときに党内の一大勢力となった小沢氏を中心としたメンバーが党を離れて日本未来の党に合流し、そのほかにも第三極に流れた議員もいた中で、残りのメンバーだけで戦わざるを得なかったということです。

前回選挙で民主党が圧勝したのは、寄せ集めといわれながらも「政権交代」という目標で団結した民主党が、総力戦で自民党に挑んだ結果として小選挙区で議席を獲得したからであり、選挙巧者と言われた小沢氏のグループその他のメンバーが抜けた状態では、基礎票としても自民党には及ばず、仮に消費税増税や民主党政権の失政がなかったとしても、かなりの確率で、小選挙区の議席は大きく減っていたはずです。

加えて、第三極の乱立という状態で、前回選挙で民主党を支持した無党派層の支持が第三極に流れたのですから、今回の選挙は、端から勝ち目のない選挙だったということだったのでしょう。

野田総理は敗戦の責任を取って代表を辞することとなりましたが、ここまでの大敗は予想できなかったとしても、総選挙に臨んだときに形勢不利は明らかだったのですから、野田総理としては、ある意味では政権を手放す覚悟で今回の総選挙に踏み切ったのだと思います。

それは、小沢氏と袂を分かって、いわゆる「純化路線」を選択した時からの一連の流れだったのですが、野田総理の覚悟は、たとえ今回の選挙で敗北しても、党としての基本的な方針を共有できない人と一緒に党運営することは、強力な政策を推進するためには足かせにしかならないと考え、それであれば、いったん下野してでも、党としての基本理念も含めた体制の立て直しをすることのほうが、長期的な視野でベターだと判断したのではないかと考えています。

小選挙区制は、中小政党にはもともと非常に勝ち目の薄い選挙制度ですから、民主党がこれだけ支持者を失ってしまえば、自民党が得票を増やさなくても、議席配分としては自民党が圧勝するのは必然だったのです。(第三極の選挙協力がうまくいけばもっと結果が違ったかもしれませんが…。)

今回の選挙のもう一つの特徴は、投票率の際立った低さです。直近2回の総選挙は、郵政民営化の是非と政権選択という一つのテーマで戦った選挙でしたが、この2回はいずれも高い投票率でした。一方で、今回の選挙は、原発問題、経済問題、外交問題、TPP参加問題など、テーマが多岐にわたり、投票先も多政党の乱立という状況で、有権者自身が決めきれなかったということが大きく響いたと感じています。

小売店で、商品を販売するときも、豊富な品揃えを見せられた客は、迷った挙句に何も買わずに店を後にするということが少なくないと言われています。そのため、販売巧者は、あえて品数を減らして、消費者が迷わずに購買決定という判断を促す戦略をとるのです。
今回棄権した有権者の中にも、同様の感覚で棄権した人が少なくなかったのではないかと思います。

 この選挙結果から学ぶべきもの                                            
私たちは、この選挙結果から何を学ぶべきなのか、それは、おそらく自民党中心の政権が数か月経過した後に答えが見えてくるのでしょう。政治に対して絶望感を抱きたくなる現状ではありますが、絶望して何もしなければ自分の思いは国政に伝わらないということも知っておくべきです。国の政治が自分の思いと違う方向に進んで行ってしまったとしても、選挙で投票行動をとっていなければ批判する資格はないと言われても仕方ないのです。

私自身の率直な感想は「自民党の勝ち過ぎ」ということなのですが、この結果、安倍総裁が選挙戦の中で言っていた無制限の金融緩和政策が実際に行われることになれば、国の借金を積み増したうえでバブルが再燃するという恐ろしい流れになりかねないという不安をぬぐいきれずにいます。

その結果の最悪のシナリオは、国債金利の急上昇による国家財政の破綻です。そういう事態にならないように、あまり自民党が勝ちすぎるのはまずいと思っていたのですが、今のところは自民党の有力者の発言も、大勝に浮かれている様子はないようです。

いずれにしても、国債はこの国の将来を担う人たちに負わせる借金なのだという自覚をもって国家運営をしてくれることを祈るだけです。


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タグ:衆議院 選挙
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