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多発するストーカー殺人事件の背景にあるものは(1) [ニュース・社会]

ここ数日、ストーカーの果てに元交際相手を殺害してしまうという事件が続けざまに報道されています。

元交際相手といっても、交際の程度は様々なので、何処までの関係であったのかまでは分かりませんが、加害者が被害者となった元交際相手に対して強い執着を持っていたということは、殺人という事件の結果から容易に推測できます。

 ■ なぜそんなに別れた相手に執着するのか

これらの事件報道に接して私が不思議に思うのは、加害者は交際相手と別れることになったときに、どうして被害者と別れた後には「別の人間関係を築けるかもしれない」ということに考えが及ばないのだろうかということです。

最近、「あまちゃん」で「あんべちゃん」役を演じた片桐はいりさんが、「天野春子」役だった小泉今日子さん演じるドリンクワゴンの店員に、フラれたことが新しい出会いのスタートになると励まされるテレビコマーシャルを見ることがありますが、多くの人はそのように前向きに考えてフラれた相手に対する執着を薄れさせるものです。

好意を寄せていた相手にフラれたときに、落ち込んだり、未練を断ち切れずに思い出の場所に足を運んだりするということは誰にでもあることですが、罪を犯してしまうほどの強い執着を抱いてしまうその精神面には何かしらの欠陥があるのではないかと思わざるを得ません。

向上心のある人であれば、フラれてしまった自分の至らなさを反省して、自らを磨くことを考えるでしょう。著名な小説家の中にも、失恋を契機に内省を深めて後に大作家と評価されるに至った人は少なくありません。

 ■ マスダの仮説 ― 「自信のなさ」と「自尊心の欠如」

私は、これらの事件の背景には、加害者自身の「自信の無さ」と同時に「自尊心の欠如」という問題があるのではないかと考えています。

「自信の無さ」というのは、一度は交際相手という関係になることができたけれども、その相手と別れた後に別の人との関係を構築する自信がないということが、別れた元の交際相手に対する執着につながるという考えです。

「自尊心の欠如」については、そのような事件を起こしてしまっても、失って惜しいと思うようなものを持ち合わせていないということを考えています。

うまく行かなくなって目の前の相手と別れても、そのうち新しい交際相手と巡り合えると思うことができれば、そんなに別れた相手に執着して、お互いの人生を犠牲にしてしまうような無謀なことをすることはないはずだと思うのですが…。

「自分の周りで起きることは全て自分に原因がある。」と考えるべきという教えもありますが、そのように自己を客観視できる人であれば、このような事件は決して起こすことはないでしょう。

次回は、そのような人格がどうして形成されてしまったのかを、日米の教育の比較から考えてみたいと思います。


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食材虚偽表示による「全額返金」の違和感 [ニュース・社会]

阪急阪神ホテルズ系列レストランでの食材虚偽表示を皮切りに、日本中のホテルや著名レストランで『食材表示を誤っていた』という謝罪会見が、これでもかというくらいに続いています。

阪急阪神ホテルズでは、虚偽表示の料理を提供した顧客に対して全額の返金をするという対応をしているようですし、それに倣うホテルやレストランも少なくないと思いますが、私はその対応に違和感を覚えています。

 ■ あなたはレストランを選択するとき、何を基準にしていますか

私たちが通常ホテルや著名レストランに食事をしに行くときに、最近ではネットによってメニューを確認することもあるのでしょうが、そこに行くのはどんな料理を出してくれるのかという調理の仕上がりに対する期待からであって、正直なところ、どんな食材を利用しているのかで行く店を選ぶことはほとんど(個人的には「全く」)ないと思います。

自然志向で有機野菜しか口にしないとか、安全な産地の食材を提供しているという理由で店を選ぶということはあるのかもしれませんが、今回の虚偽表示は、全部は確認していませんが、その類のものとは違うのではないかと思っています。

つまり、顧客が、その店が表示している食材を期待してその店を利用している可能性は極めて低いのではないかというのが私の基本的な疑問です。

考えてみれば、コース料理を選ぶにしても、アラカルトで料理を選定するにしても、出されたメニューから料理を選ぶだけで、同じ店でエビチリや小エビの唐揚げといった料理に食材が違う複数のメニューを提供している店はそう多くはないはずです。

piatto-forchetta.jpg

 ■ 食材の虚偽表示で顧客が実際に被る損害は?

レストランでは料理人が腕を振るって味付けをして料理を提供します。

食材そのものの味を楽しむごく一部の料理を除いては、調理の”腕”に価値を感じて私たちは料金を払っていることの方が多いと思います。そう考えると、食材の違いによって原価が異なることはあったとしても、顧客が被る損害は、「食材費の差額分だけ」ということではないでしょうか。

加えて、料理の価格に占める食材費の割合という問題があります。
料理の価格には、食材費だけでなく、店の賃料や内装費、料理人やサービスを提供する人たちの人件費、調理をするための燃料費や調味料代なども含まれています。ホテルや著名レストランになれば、店構えが立派になり、優秀な人材を確保するために人件費も高くなるということは当然に考えられます。私たちが高級な店に足を運ぶのは、食材のことよりも、店が提供する『トータルなサービス』に価値を感じるからではないでしょうか。

食材の虚偽表示は、そのトータルなサービスの価値を貶めたということはあるにしても、その料理を食べた時に相応の満足感を得られたのであれば、食材の表示が虚偽だったとしても、そのことによって顧客が被った損害はごくわずかなのではないかと思うのです。

 ■ サービスの価値~冷静にもう一度考えてみましょう

翻って、私たち弁護士を含めたいわゆる知的サービス業は、依頼者や相談者の皆様に提供する原材料を持たない仕事です。もちろんサービスの前提となる知識を取得するために相応の時間と費用は費やしていますが、それは料理人も同様でしょう。

「原材料の表示が違っていたら全額返金する」というのであれば、そもそも原材料を持たない私たちの仕事にどんな価値を見出してもらえるのだろうかということが非常に気になります。

食材の虚偽表示に対する全額返金という対応が、それ以外に提供している空間やサービスといった、より本質的なものの価値を損なうことの無いように願いたいと思って今回のブログを書いてみました。

皆さんはどう思いますか?


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札幌啓成高校新聞局の皆さんからSNSについて取材を受けました2 [ニュース・社会]

今日のブログは、前回の「札幌啓成高校新聞局の皆さんからSNSについて取材を受けました」の続きです。ご縁があって取材に来てくださった高校生の皆さんに何を伝えられるか。取材テーマのSNSのことを中心にマスダが熱く語りました。では続きをどうぞ。

 ■ ネット上の世界も「現実世界」です

注意しなければならないのは、ネット上の表現は”バーチャル”なものと思ってしまいがちだということです。

ゲームの世界では、どんなにひどいことや仲間を失ってしまうような失敗をしてしまったとしても、リセットすればやり直せます。しかし、SNSやネットの世界でやり取りをしている相手は生身の人間であるということを忘れてはいけません。

自分が発信したことについて、相手が「どう受け取る」だろうか、ひょっとしたら、相手の気持ちを「とても傷つけてしまう」のではないかといったといった配慮は、対面でのコミュニケーションの場合と異なるところはありません。
むしろ、こちらの表情まで伝わらないネット上の方が誤解も生じやすいので、より注意深くコミュニケーションする必要があるのだと思いますが、現実には即時のレスポンスを求められるので、返事をするのも考える余裕がないことの方が多いようです。

最近の子供たちの間では、友達からのメールやラインの書き込みに対してすぐに返信しなければならないといった強迫観念で、お風呂に入るときにも携帯を手放せないという人もいるようです。

「すぐに返事を返さないと仲間外れにされてしまう。」
という思いがあるのかもしれませんが、そんな考えが異常だということに早く気付くべきです。

すぐに返事を返すことを求めるということは、離れていても自分の都合で相手の時間を「拘束する」ことになるということです。そんなに束縛しあう関係は本当の友達関係とはいえないのではないかとよく考えてみた方が良いでしょう。


 ■ 個人が自分の考えを発信できるツール~使いこなすスキルが必要

だとすると、SNSはやらない方が良いのではないかという話にもなりかねないのですが、私自身は、SNSもコミュニケーションのためのツールとして社会に役立つものだと思っています。

これまで、自らの考えを社会に発信する機会を持たなかった私たち個人が、ネットの世界を通じて世界中に自分の考えを伝えることができるのです。

今回の取材のきっかけは前回のブログの冒頭でお話しした通りですが、ネットのコラムに私が投稿しなければ、私がSNSについてどんな考えを持っているのかを高校生が知ることもなかったでしょうし、取材を受けることもなかったのです。

つまり、ネットが普及するまではマスコミと接点を持てる人だけが社会に向けて自らの考えを発信できたのが、今では誰でもが発信者になれて、社会的に受け入れられる発信内容であれば、それを誰かが取り上げて更に広がっていくということもあるのです。

私は、SNSをうまく使いこなすことが、多くの人にとって、これから必要とされるスキルになる可能性すらあると思っています。

そういう意味で、今回の取材は、若い人たちに、通信手段の特性を理解してうまく使いこなせるような教育をしていく必要があるのかなという思いを強くした経験でした。

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札幌啓成高校新聞局の皆さんからSNSについて取材を受けました1 [ニュース・社会]

2013年11月8日、北海道札幌啓成高等学校の新聞局の皆さんから取材を受けました。

取材の内容は、高校生にも利用者が急増しているSNSについてです。
どうして私が取材を受けることになったのかというと、私がマイベストプロ北海道に投稿した「ソーシャルネットワークの功罪」というコラム(http://mbp-hokkaido.com/m-masuda/column/1330/)を見て、この分野のことをいろいろ教えてもらえそうということで取材依頼があったのです。

 ■ マスダが高校の新聞局のみなさんに語った話を少しご紹介

取材は、女子高生3名と顧問の先生によるものでした。
自分の子供よりも若い人たちから取材を受けるというのも新鮮な経験で、これからの未来に多くの可能性を持っている高校生の皆さんに少しでも役に立つ話をしたいと思い、取材の趣旨から少し外れましたが、読書の勧めや、将棋の「三手の読み」を例に挙げて、
『どういうリアクションが予想されるのかを考えてから行動する必要がある』
といった話もさせてもらいました。

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本題のSNSの話では、本人は匿名で投稿しているつもりでもそれは本人の勘違いであって、人を傷つけるような投稿をした場合には、簡単に個人が特定されて本人が全く想定していなかったような厳しい批判にさらされるということをまず伝えました。


最近の話題では、衣料品店「しまむら」で店員に土下座をさせた女性が、その写真をツイッターに投稿したところ瞬く間に投稿者の個人情報が解明されて、ついにはその女性が強要罪で逮捕されるという事態にまでなっています。

また、面白半分でアルバイト先の冷蔵庫や冷凍庫に入って写真を撮影して投稿した人たちの場合には、写真を撮影している人と複数でこの投稿を行っている訳ですから、集団心理で歯止めが利かなくなっていた可能性があります。

こういう悪ふざけをしようとしている集団の中でそれを制止するような発言をすることは、「空気を読めない面白くないやつ」といったネガティブな反応をされることもあるので、「仲間外れになりたくない。」と思う気持ちが強いほど言い出しにくいものです。
そのときに「駄目なものはダメ!」と毅然として発言するほうが、結果として仲間を守ることになるというところまで想像力を働かせられるかどうかで、その人の行動は決まるのです。


もう一つSNSについて話したのは、ネットの世界には善意の人ばかりがいる訳ではないということです。

ネットに不用意に自分の個人情報を曝してストーカー被害に遭うという事件報道もなされていますが、単純に友達を増やしたいという思いで自分の個人情報を無防備に公開することは、「私は隙だらけの人間です!」と公言しているようなものです。そのリスクを理解したうえで、悪意の人に知られても困らない範囲で自分の情報を発信するという用心深さも必要でしょう。

====
ちょっと長くなってしまったので、この続きは次回13日水曜日にアップすることとします。
なお、取材のため当事務所に来所していただいた北海道札幌啓成高等学校の新聞局の皆さん、ブログ記事とすることをご了承いただきましたことを感謝いたします。

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タグ:SNS
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facebookスパムアプリとビッグデータビジネス [ニュース・社会]

Facebookを利用していると、時々「誕生日」というアプリへの友達からの招待が届きます。
招待している本人は、自分の名前でそんな招待が友人に送られていることは知りません。

これは、自分が誰かからそのアプリに招待された際に、不用意に「友達」などの個人情報へのアクセスに”同意”したことから、その情報をもとに『勝手に発信された招待』です。

同様のアプリは、Facebook上ではいくつか見受けられます。
「○○診断」や「連絡先」といったものもありますが、いずれも、個人情報へのアクセスに同意することを求めてくるので、その時点で拡散されてしまうリスクに気付かなければなりません。

Facebookには招待機能があるので、友人に有益なアプリを紹介するためにこの機能を意識的に使っているのなら結構なのですが、これらのアプリは、勝手に友人にアプリへの招待を送り、送られた方は知り合いからの招待なので警戒心を持たずにそのアプリにアクセスして、自分の知らないところで個人情報が勝手に利用され、更に自分の友達にアプリの招待が送られるという拡散の流れが起きてしまいます。

 ■ スパムアプリで収集された個人情報の利用は、個人情報保護法に違反するのか?

こうやって、アプリ開発者は短期間に膨大な数の個人情報を収集することが可能になります。
Facebookは実名登録が原則で、名前だけでなく年齢や住所地、家族構成、出身校なども登録している人が多いので、そこに登録されている個人情報だけでも解析することで、営業上のターゲットを絞ったり、特定の層に所属している人の嗜好の傾向を発見したりすることが可能になります。

その分析結果は、事業会社に有償で売却されるなどの利用が想定されているものですが、これは個人情報保護法に違反する可能性が大きいものです。

個人情報保護法1条は
  「高度情報通信社会の進展に伴い個人情報の利用が著しく拡大していることにかんがみ、
  個人情報の適正な取扱いに関し、基本理念及び政府による基本方針の作成その他の
  個人情報の保護に関する施策の基本となる事項を定め、国及び地方公共団体の責務等
  を明らかにするとともに、個人情報を取り扱う事業者の遵守すべき義務等を定めることに
  より、個人情報の有用性に配慮しつつ、個人の権利利益を保護することを目的とする」

と規定しており、大量の個人情報が高度情報通信社会の中で財産的価値を持つことを前提に、個人情報の保護を図ることを目的として制定されたものです。

個人情報保護法17条は
  「個人情報取扱事業者は、偽りその他不正の手段により個人情報を取得してはならない。」
と規定し、また16条1項では
  「個人情報取扱事業者は、あらかじめ本人の同意を得ないで、前条の規定により特定された
  利用目的の達成に必要な範囲を超えて、個人情報を取り扱ってはならない。」

と規定されています。

しかし、これらスパムアプリの開発者は、ユーザーに有益な情報を提供するという形式を装って真の目的は個人情報の収集をしているわけですから、「偽りその他不正の手段により個人情報を取得」したと言われてもしょうがないのではないかと考えています。

 ■ Amazonが多様な商品を安く提供できる理由

一方で、私は、Amazonなどでネットショッピングをすることも良くあるのですが、目的の商品を探している途中でゴルフクラブなどの興味のある別の商品の情報が画面に表示されたり、ときには、メールで新製品の情報が送られてきたりします。

実はこれもAmazonが保有する大量の顧客の購入履歴や検索履歴を分析して、そのユーザーが最も興味を持ちそうなものの情報を提供するようシステム化されているもので、Facebookの画面上に現れる広告も、ユーザーの属性に合わせたものを表示するようにプログラミングされています。

ネット書店からスタートしたAmazonが、いまでは多様な商品を安く販売できるというシステムを構築できたのは、保有している大量の個人情報を有効に活用することによって、商品購入が期待できるユーザーに直接アプローチできることで、広告・宣伝費を大幅に圧縮できるようになっているからです。

その意味では、私たちは、ネットサービス提供者に個人情報を提供する代わりに、効率的に自分が興味を持つものに関する最新情報を手にできるという恩恵も受けているのですが、
一方で、サービス提供者は、商品の販売業者から多額の手数料収入を得て事業を展開するという収益モデルを確立しています。

 ■ 無料SNSを利用する際のリスクを理解し、うまく活用しましょう

私たちが無料でSNSを利用できるのも、『サービス提供者がほかで収益を上げているから』という理屈は理解すべきですが、私たちに何の恩恵ももたらさないスパムアプリによって個人情報を勝手に使われるというのでは納得がいきません。

ネットを便利に利用するためには、そこに個人情報の提供という見返りがあって、その提供された個人情報の集積が、サービス提供者にとって大きな収益源になる可能性があるということは知っておく方が良いでしょうね。


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 詳しくは、マスダの所属する札幌総合法律事務所 http://www.sapporo-sogo-lo.com/
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