中小企業の事業承継

最近、いろいろな場面で中小企業の事業承継というテーマの話を聞くようになりました。

これには、高度成長の前期に創業した中小企業のオーナー社長が高齢化して引退の時期を迎えているという時代背景があります。

実際に、企業の業績はそこそこだけれども、担保や連帯保証といった自分の責任も含めて引き継いでくれる後継者がいないので引退したくてもできないという経営者もいらっしゃるでしょうし、後継者を決めてはいるものの、会社の事業用資産や株式は自分が保有しているので、自分がなくなった後の相続問題が気がかりという方もいらっしゃるでしょう。

そして、日本では中小企業の数は全企業数の９９．７％といわれていますが、この中小企業が日本経済の活力を下支えしているという現実があるため、国も中小企業の事業承継を積極的に支援しようという方針で政策展開をしています。

具体的には、中小企業の事業承継を円滑化するような税制改正を推進したり、事業承継のための支援をする制度を設けたりするなどの施策が講じられています。

具体的な施策の内容については、日を改めてご紹介いたしますが、中小企業を円滑に承継させるためには、承継までに社内の体制を整えておく必要があります。

相続対策や、後継者の教育、社内基盤の確立など現実に事業承継を行うまでにクリアすべきことは、多岐にわたっています。したがって、事業承継の必要性を自覚したなら、それらを総合的にサポートしてくれる専門家の援助を早めに求めるべきでしょう。

札幌弁護士会では、３月７日（金）午後１時３０分から、道庁赤レンガ庁舎において、「事業承継」をテーマに講演会を行い、併せて中小企業の皆様に対する無料法律相談会を実施します。
※無料法律相談会は終了いたしました。

私も、札幌弁護士会の業務改革委員会の一員として参加しますので、多くの皆様のご参加をお願いいたします。