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柳田法務大臣辞任と菅政権の今後 [ニュース・社会]

11月22日,柳田法務大臣が身内の大臣就任祝いの席での失言の責任を取って辞任しました。辞任の形はとっていますが,直前に自ら続投会見を行って検察改革に意欲を表明したいたことからみても,これは明らかに事実上の更迭です。

それなのに,辞任の形を取らなければならないところに,現在の菅政権の存立基盤の弱さを感じます。

柳田氏が法務大臣になったのは,小沢前幹事長と近い参議院の輿石議員会長の強力な推薦があったからと言われています。したがって,柳田氏の辞任に最後まで反対したのも輿石氏ということです。

うがった見方をすれば,これから始まる小沢氏の裁判に対して,検察を統括する法務大臣に,小沢氏サイドが影響力を行使できるような人物を押し込んだのではないかとさえ思える人選です。

そのような視点でこの人選を見ると,法律の専門家よりも素人の方が自らの法律的意見を持たないだけコントロールしやすいということもいえそうなので,敢えて20年間法務部門に触ったことのない「法律の素人」を法務大臣に据えたとみるのもそれほど外れていないような気がします。

国民は,菅政権の実行力のなさを嘆いていますが,これは,菅総理自身の資質もあるかもしれませんが,それ以上に議員の数では党内でも過半数を占める小沢氏を支持する反対勢力に対する配慮をせざるを得ないために方針を一本化できないという党内力学の影響も少なくないと思います。

しかし,だからと言って何もしないのでは話になりません。

国民に圧倒的な人気を博して長期政権を実現した小泉元総理も就任当時は党内における議員の支持者数では少数派だったのに,「自民党をぶっ壊す」とまでぶちあげ,党内の有力者を「反対勢力」と決めつけて,党を割ってでも自らの目指す改革を実現するという強い意志が国民各層からの支持を集めることに繋がったのです。

小泉元総理のときも,党の代表選挙のときの情勢は菅総理と良く似ていました。しかし,その後の政権運営のやり方は正反対で,挑み続けた小泉氏が国民の支持を得たのに対して,安全運転を志向し続けた菅総理が国民の失望を買ってしまったのは何とも皮肉なことです。

我慢し続けてきた菅総理も,ここまで支持率が落ち込んでしまったら,党内融和による保身を考えるよりも,党を割ってでも実現すべき政策を掲げて攻めに転じるべきなのではないかと思います。

昨今聞こえてくるニュースでは,民主党が掲げる福祉政策の財源不足を補うための増税案がいろいろと取りざたされていますが,そのような政策を実行すれば,国民のマインドはさらに冷え込み,市場にお金が流通しなくなるのは明らかです。

それよりも,やはり成長のための具体的なビジョンとそこに至る工程表を明示することで,国民に将来への希望を与えることこそが為政者に求められる大きな仕事です。

大臣の重責を自覚しない人物を任命した責任は重いと言わざるを得ませんが,だからといって引責総辞職などということをされては,待ったなしの状況にある国民はなおさら失望を重ねるだけです。

内閣支持率も最低水準にまで落ち込んでいるのですから,ここは,背水の陣で国民に強いメッセージを送って欲しいと思うのですがいかがでしょうか。


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