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北海道新幹線札幌延伸に思う [ニュース・社会]

昨年末、北海道新幹線の札幌延伸が政府決定され、今後20年から25年かけてその実現に向けた工事を始めることが決まりました。

20年から25年先となると、私もまだ死んでいたくはありませんが、おそらく現役からほとんど退いているでしょうから、仕事でこの新幹線に乗ることはないと思いますが、それでも、完成した時に新幹線が社会・経済に与える影響はとても気になるところです。完成までにつぎ込まれる工事費の大半は私たちの税金なのですから、その投資に見合うリターンがどの程度のものかということは意識しておく必要があるでしょう。

北海道新幹線が札幌まで延伸されると、札幌から新函館までが1時間以内、東京までが最速でとりあえず5時間を切るくらいになると言われています。そうなると、予想されるのは、札幌・函館間の旅行は日帰りできるようになり、函館の宿泊施設がかなりのダメージを受けるということと、本州方面からの観光客が函館を素通りして札幌に向かうことで、函館の経済界にマイナスの影響が出ることは避けられないということです。新幹線の札幌延伸に函館の経済界が最後まで反対したのは当然の反応で、函館にとってはまさに死活問題ではないかというのが私の印象です。

一方で、札幌にとってはどうかというと、東京まで新幹線で行くこともさることながら、東北との移動時間が大幅に短縮されることで、札幌を中心とする道央圏と仙台を中心とする東北がより密接な経済関係に立つことになります。そのため、お互いの地域を拠点とする企業にとっては、ビジネスを広げるチャンスであると同時に、他地域の企業に侵食されるリスクも生じるでしょう。北海道、東北という地域の枠を超えてお互いのビジネスが交流することになるからです。したがって、その時期に向けて自社の体質強化に努めておく必要があります。

それでは、この北海道新幹線札幌延伸がもたらす功罪はどちらが大きいかということなのですが、私は、トータルで考えると(個別には大きな不利益をこうむる人たちがいるということを割り引いてでもという意味でです。)プラスの効果の方が大きいと思っています。

人々の移動に要する時間の短縮は、新たな人との交わりを生み、そこに新たなビジネスアイディアが生まれる可能性が広がります。また、新幹線は移動中も飛行機と違って携帯電話等の通信機器が使用できるので、私であれば、東京までの所要時間が30分程度多いくらいであれば、飛行機よりも新幹線を利用したいと思うからです。

公共工事は、一度動き出すと後戻りしない性質のものですから、札幌延伸が決まった以上は、それを前提に対策を立てる必要があります。新幹線を利用した新たなビジネスの展開を構想するとともに、負の影響を受ける地域に対してどのような対策を打ち出していくかが大きな課題となるのですが、そこに求められるのは、これまでの発想の焼き直しではなく、新たな時代に対応した新鮮な構想力ではないかと考えています。

今から20年以上先のビジネスプランを考えるのは気が早い気もしますが、現在40歳くらいまでの人たちであれば、現役でいる間に、自分たちが中心になって時代を切り開かなければならない時期が到来する訳ですから、今からその時に向けた意識を高めておく必要はあるのではないでしょうか。

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Twitterまとめ投稿 2012/01/02 [twitterまとめ]


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